「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」感想と見どころ(混雑・音声ガイド情報も)

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名古屋

お世話になります。ヨーロッパ女子ひとり旅専門家のカジヤマシオリ(@Kindermer)です。

 

名古屋市美術館にて開催中(2018年9月24日まで)の「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」に行ってきました。

 

 

(報告ツイートが誤字ってる…)

「絵画史上、最強の美少女(センター)。」なんて挑戦的なキャッチコピーが印象的で。

スイスの資産家エミール・ビュールレが生涯をかけて収集した豪華な作品群を、一度に鑑賞できる。

どんな作品に出会えるのか、ワクワクしながら訪れました。

 

会場は10つもの章に分けて構成され、それぞれに一つの関連性がある作品を集めて展示しています。

10つの章の見どころとあわせて、感想をまとめておきます。

 

さらに、気になる混み具合やお土産のラインナップも。

 



 

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印象派だけじゃない。充実したコレクションがうかがえる展示

 

夜のビジネス街・伏見に、注目の2作品がはためいている。

 

「至上の印象派展」とはいうけれど、作品は印象派だけじゃない。

17世紀オランダ絵画(フランス・ハルス「男の肖像」)から印象派を経て、20世紀フランス絵画(ロートレック「コンフェッティ」など)やモダン・アート(ピカソブラックなど)までじっくり堪能できます。

個人的には、第2章の「ヨーロッパの都市」に、中世~近代と時代を超えて描かれたヴェネツィアの風景が展示されていたのが嬉しかったです。

18世紀のカナレットから、20世紀初頭のシニャックまで。

 

私も、ヴェネツィアを訪れたときに目にした光景が忘れられない。

やっぱり、どの時代でもあの海のきらめきと船の行き交う様子は人々を魅了していたのだな、と。

 

ビュールレ・コレクションの中でも、特に充実しているポール・セザンヌフィンセント・ファン・ゴッホの展示には、まるっと1章ずつを振り分けていました。

この二人だけは、活動初期から晩年の作品まで、画業をトータルで把握できるような内容でした。

 

あまり予習してなかったので、フランス・ハルスの展示を知らずびっくり。

好きな画家のひとりなので嬉しかったです。10月にはフェルメール展もあることだし、もっと推してもいいんじゃないか…?

 

 

気になる印象派の見どころは、ルノワールとセザンヌ。

 

人気の印象派は、第4章「印象派の風景」と第5章「印象派の人物」に分けて展示。

風景にはピサロマネ、モネが。人物にはドガルノワールが。

印象派展って幾度となく開催されたテーマだけど、この顔ぶれは豪華すぎないか?

 

展覧会の目玉作品は、やはりルノワールの「可愛いイレーヌ」とセザンヌの「赤いチョッキの少年」。

どちらも見どころとして、ホームページでも紹介されています。

 

 

特に「可愛いイレーヌ」は、ポスターやチラシにもなるくらいの注目作。

ルノワールが、裕福な銀行家の娘・イレーヌを描いた作品です。

5章の「印象派の肖像」で展示しています。

実物のほうがすきとおっていて、知的な雰囲気をまとっていました(描かれた当時のイレーヌは8歳)。

大切に育てられていそう。

驚いたのはその表現力。やわらかそうな髪の毛は、1本ずつ丁寧に描いています。

耳にかかるうぶ毛もふわっとしていて、健康的な美しさです

ルノワールも、きっと愛情をこめて描いたんだろうな。子どもを描くことが多かった彼だからこそ。

愛でたくなるようなかわいらしさです。

 

 

そしてセザンヌ「赤いチョッキの少年」

ヒジをついてうつむく少年、ヒザにおいた腕が異様に長い…もちろん、写実的に描いたわけじゃなく。

バランスの良い構図を保つため、このような長い腕になったのです。

 

色彩のバランスもすばらしい。

少年のうつむいた視線と同じ、沈んだような色合いにも惹かれる。

 

わざわざイタリア出身のプロのモデルを雇い、描いた作品。

何に憂いを感じているのか、つい考えてしまいますね。

 

 

 

目の前で静かにゆらめく大作「睡蓮の池、緑の反映」

 

 

そして、展示を締めくくる10章「新たなる絵画の地平」には…
モネの「睡蓮の池、緑の反映」(この作品だけ写真撮影OK。フラッシュ禁止)

 

モネは晩年、睡蓮をモチーフにした作品に命をそそぎました。同じモチーフで、いくつも作品を残しています。

ビュールレ・コレクション所蔵の「睡蓮」は、これまでスイス国外に出たことがなかったという大作。

目の前にずっと広がる睡蓮の花たち。想像以上に大きな作品でした。

だって幅4メートルって…このカンバス一面に睡蓮を描くなんて、想像を絶する仕事です。

 

彼の描いた睡蓮を見たのは初めてじゃないけど、いつもそのゆらめきに心をしめつけられるのです。

「ここまでに見たイレーヌや少年の作品は、全部幻想だったのよフフフ」と言わんばかりに、夢の世界に包んでくれます。

しかもこの作品だけ、という展示方法にもぐっときました。

 

モネの生みだした「睡蓮」の世界を気がすむまで泳いで、ようやく夢から覚める。

そうすると「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」を鑑賞し終わっている、という流れが強く記憶に残っています。

 

 

スイスの大資産家、ビュールレが手元に置いた絵画の数々。

これらは20世紀半ばに20年ほどかけて収集したもの。

このクオリティのコレクションをひとりで完成させたのか、と感心しました。

しかし2020年に、同じスイスのチューリヒ美術館に全コレクションを移管するとのこと。

このことからも、まとまってビュールレのコレクションが来日するのは最後だろう、と。

 

このタイミングですばらしい作品群に出会えたことはラッキーだったな、と思わずにいられませんでした。



 

 

ビュールレ・コレクション、じっくり見ると2時間近くかかる

 

(鑑賞を終えたころ、辺りはこんなに真っ暗だった)

 

作品数は60点越え。西洋絵画の歴史を語る上で外せない、画家の作品ばかり。

全部じっくり鑑賞すると時間かかりそうだなあ」という心構えをして臨みました(笑)

 

約30分の音声ガイドとともに、じっくり鑑賞すると…
(気になった作品は2~3回くらい音声ガイドをリピート再生して)

1時間45分くらいかかりました。混みやすい土日はもっと時間がかかると見ておいたほうがいいと思います(金曜の18時過ぎ~閉館直前の20時まで鑑賞)。

イレーヌの髪の毛の一本一本、ゴッホの色彩の組み合わせ、じっくり見たいじゃない!と思えば、このくらい時間がかかるのは妥当かと。

お急ぎの際はご注意を。せっかくお金はらって楽しむんだから、余裕をもってが鉄則です(閉館ギリギリだったくせに)。

 

 

ビュールレ・コレクション、(コインロッカーに空きがないくらい)混雑していた

 

金曜日のみ、20時まで開館(入館は30分前まで)ということで、それを活用して18時過ぎから鑑賞をスタート。

仕事終わりの金曜日の贅沢です。

さて、金曜日の夕方、気になる展覧会の混みぐあいですが…
さすが、名高い作品が集まるだけあって混んでました。

でも身動きとれないほどではなく。
入場規制がかかることももちろんないし、人は多いけどゆっくりできると思います。

特定の作品に人が集中しすぎることもなく。チケット売り場も待ち時間ゼロでした。

 

ただ…

1階・2階のコインロッカーには空きがなかった!

もともと名古屋市美術館のコインロッカーはあわせて80個くらいと、数が少ない。

少なくとも、コインロッカーの数を上回る来館者がいるということです。

しかも、空くのを待つ人が2~3人並んでました。

コインロッカーで使うコインを貸してくれる受付の人もほったらかし。

余計な荷物をもたず、身軽に鑑賞したい派なのでちょっと困る。

 

 

名古屋市美術館のコインロッカーに空きがないときの対処法

 

(地面に座り込みたくなるくらいショックだった)

 

この状況を見て「しかたない…重いけどトートバック持ち歩くか…」と覚悟を決めました。

2階でコインを貸してくれた図書室の受付に、コインを戻しに行くと「空きなかったですか?預かりましょうか?」と。

大きすぎない荷物であれば、図書室の受付でも預かってくれるとのことです。

番号札を荷物にくくりつけてから、同じ番号札をもう一枚渡してくれます。

鑑賞後にまた訪ねれば、番号札と引きかえに荷物を渡してくれます。

だから、ロッカーに空きがなくても(とりあえず)大丈夫です。

こういうシチュエーションを見越して、荷物はなるべく少な目にしておくのがベストですが。

(受付も荷物でいっぱいのときはしかたないです…最寄りの地下鉄伏見駅に腐るほどコインロッカーあるからさ…)

 

 

ビュールレの執事?音声ガイドのナレーターは「井上芳雄」

 

(他人の雑談をシャットアウトしたいから、音声ガイドは必須)

 

いつも展覧会の楽しみにしている音声ガイド。

ナレーターは、俳優の井上芳雄が担当しています。

ミュージカルやコンサートをメインに、テレビドラマでも活躍している俳優です。

もうね、聞いてるだけでお耳がずっとメロメロなんですよ

ミュージカルでは人々を虜にする、王子様や貴族を演じることがあるからかも。

作品は、ビュールレという実業家(=資産家)の家を実際に飾っていたものばかり。

その背景もあって、まるでビュールレの執事が解説しているような世界観も生まれていました。

物腰もやわらかで、気品が伝わるナレーションです。

ビュールレには執事のひとりやふたりいたはずだし、もう執事っていう設定でいいんじゃないか?というクオリティ。

ひとりで鑑賞するなら、どっぷり世界観に浸れるようなナレーションです。

 

ちなみに、作品をよりわかりやすく、クイズをまじえて楽しく解説したジュニア版も。

絵の中のキャラクターが登場して説明してくれるなんて、楽しくないわけがない。

ナレーターは声優の皆川純子。あの皆川純子。

イレーヌや赤いチョッキの少年を、イキイキと躍らせてくれることでしょう。

あえてジュニア版を聞きながら楽しむのもいいかもしれない(ジュニア版を希望する場合は、お金を払うときに伝えるのがマストかと)。

子どもと鑑賞するのにも向いている、ということですね。

 

 

限定グッズが充実!おすすめは「ビュールレコレクション展365strap」

 

鑑賞後のお楽しみのひとつが、展覧会のミュージアムショップをチェックすること。

定番の、作品ポストカードやファイル、マグネットやメモ帳などはもちろん。

展覧会限定のグッズも充実していました。

展覧会のロゴと作品がデザインしてあれば、ちゃんと記念になるものね。

 

イレーヌや赤いチョッキの少年をデザインしたマスキングテープ、なんと一面にモネの「睡蓮」をプリントした養生テープも。

デコレーションにぴったりのかわいいデザインでした。

作品をモチーフにしたお菓子も。感想を語りながら午後のティータイム、素敵なフィーリングですね。

 

 

中でも、気に入ったのが「ビュールレコレクション展365strap」。
自分の誕生日の日付を選べる、おしゃれなストラップです。

日によって絵柄も変わるので、日付は気にせず買うのもアリかな、と。

それか鑑賞した日を選ぶのも記念になるよね。

 

 

1月5日生まれ、カジヤマシオリの誕生日は…

イレーヌの肖像と、カミーユ・ピサロが描いた「ルーヴシエンヌの雪道」

ピサロの描く冬の日常がお気に入りだったので、なにげ嬉しかった。

 

月(イレーヌ)部分はストラップに、日(ピサロ)部分はチャームに。

日付があるから一緒につけるのがいいんだろうけど、別々につけてもおしゃれですねー。

自分用にも、誰かへのプレゼントにも嬉しい、かわいいグッズです。850円(税込)

売り切れの日付もありましたが(なぜか正月の三が日…w)。

 

 

また、1階のエントランスでは、イレーヌばりの美少女ショットが撮れそうな記念撮影ブースも。

鑑賞後には、こういう楽しみも待ってますよ。

 



 

「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」名古屋展 基本情報

 

 

名古屋市美術館開館30周年記念

会期:9月24日(月)まで
時間:9:30~17:00(毎週金曜日は~20:00)
※入場は閉館の30分前まで。30分じゃ到底、ぜんぶ鑑賞しきれません。
休館日:毎週月曜日(祝日は開館)、9月18日
アクセス:地下鉄伏見駅5番出口から徒歩7分。または大須観音駅2番出口から徒歩8分。白川公園内を歩いて向かう。

「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」公式ホームページ

http://kajiyamashiori.info/bostonmuseum/ 
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