【モルドバ】Hancu Monastery(修道院)を見学。国の歴史と生きた場所

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モルドバ

お世話になります。ヨーロッパ女子ひとり旅専門家のカジヤマシオリ(@Kindermer)です

モルドバ滞在中にめぐった教会の中でも、特にお気に入りのHancu Monastery(修道院) 。うすいイエローの外壁と灰色のドームが特徴の、大きな修道院です。

 

モルドバの緑あふれる大自然の中に、いきなり現れる修道院。

夏・冬とふたつの建物があり、両方とも地元の人が多く訪れています。

 

その様子とあわせて、数奇な歴史と修道女たちの暮らしにも焦点を当てて紹介します。

 



 

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Hancu Monasteryはただいま大規模な改修中。お土産購入が支援に。

 

 

まずはHancu Monasteryの夏の教会から。

まあるくて高いドームが特徴です。見上げるほどの大きさで圧倒された。

 

中に入ると…
東方正教会の修道院でよくみられる、金のきらびやかな装飾はない。

そのかわり、レンガと石造りの壁が一面、むき出しになっている。

 

というのも、修復真っただ中とのこと(2018年現在)。

そのため、見学を希望する人は少ないけれど、せっかくなので特別に見学をお願いしました。

修復中のため、装飾がほとんど外されています。
とはいえ、ところどころにイコン(聖像)は残されています。

ろうそくに火をつけてお祈りする場所も。

信仰心のあつい地元の人は、修復中でもこうやってお祈りをしに訪れるそうです。

 

修復中とはいえ、広い空間が規模の大きさを物語っています。

天井がとにかく高いし、奥には立派な祭壇のあった空間が。

自分たち以外誰もいないし、しんと静まり返った空間。

声を発すると、すっと響きわたる。
大声出したら気持ちよさそう。

 

天井のドーム。

かつてはドーム中心部に大きくキリスト像が描かれ、そのまわりをぐるりと使徒たちの像で囲んでいました。

彼らが身に着けていた服も、なかなか細かく描かれていて。

淡い水色をベースに、細かく絵が散りばめられていました。

修復が終われば、きっと素敵な装飾が施されていることでしょう。

装飾がほとんど外され、殺風景の空間ながら、ドーム部分からはやわらかな光が差し込む。あたたかくて、どこか特別な雰囲気です。

修復を終えた姿、どんな風になるのか楽しみです。

 

 

なお、聖歌隊のCDや修道女が作ったキャンドルなど、お土産にぴったりな雑貨を販売しています。

私も、教会のマグネットを購入しました。

モルドバは首都キシナウでさえもお土産屋さんを見かけないので、ぜひこういうところで買っておくのをおすすめします。

修復費用の足しになるしね(いきなりシビア)。

 

モルドバのおすすめお土産まとめ。

このレポートみたく、モルドバ土産はチョコレートかジャムかお酒…なんてことに。

【モルドバ】スーパーでも買える!おすすめのお土産3選♪
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旧ソ連軍の病院、賑やかなディスコホール―修道院のたどった歴史

 

(別の角度から見るとこんな感じ)

 

実はこの夏の教会、数奇な歴史をたどっています。

Hancu Monasteryができたのは1678年のこと

建てたのはMihail Hancuという男性。

教会の名前も、この人物が由来です。

彼の娘の「修道女になりたい」という夢をかなえるために建てました。

 

しばらくは修道女のみが暮らす場所でしたが、18世紀半ばにロシア軍がこの地に侵略します。

その後はずっと男の修道士のコミュニティでした。

1835年には今の夏の教会、1841年には冬の教会が建てられます。

 

第二次世界大戦、戦後とHancu Monasteryはモルドバの歴史に揺さぶられます。

まず1944年に旧ソ連軍がモルドバへ侵攻し、修道院自体も旧ソ連のものに。

戦後、1965年には修道士たちに解散が命じられます。

この時点でもう、建物は修道院として機能しなくなりました。

1978年には結核患者や精神病患者の病棟一部はスパ施設に

夏の教会は、しばらくディスコホールとして使われていたことも。

たしかに天井が高くてたくさん人が入りそうで、パーティーにぴったりなのはわかるけれど…用途が突拍子もない。

 

1990年ごろ、ようやく修道院が修道士たちのもとに戻ります。

1992年にはかつてのような修道女のコミュニティが復活し、突拍子もない使われ方でめちゃくちゃになった建物の修復が始まります。

今は修復もすすみ、外観はかつての輝きを取り戻しています。
(夏の教会はまだ修復中ですが)

 

 

冬の教会もかわいい。

 

写真手前側の、冬の教会も見学しました。

ちょっとグリーンかかった屋根がかわいいと思う。
夏の教会よりは小さいけれど、地元の人にとっては大切なアイコン。

 

やはり、とびらの向こうにはイコン(聖像)がずらりと。

さわやかな水色ときらびやかな金色って、東方正教会のデフォなんだろうか…?

 

祭壇は、教会が最も力を入れるパーツのひとつ。

聖書の人物たちが、金の枠でひとつずつ囲んでありました。

きらびやかすぎてまぶしかったです。壁一面に、聖書の場面が描かれています。

 

シンプルにまとまった外観と、きらびやかな内装。

このギャップに魅了されっぱなしでした。

 

こっちは修復中じゃないから、天井のドーム部分にもキリストや使徒が飛んでるし。

少しムラのある天井の水色も、味があっていい。

 



 

修道女が水浴びをするプール。心をうるおす湧き水。

 

教会の見学を終え、案内されたのがこのプール。
夏になると、修道女たちがここで水浴びをして過ごしていました。

 

山から流れる、冷たくてすきとおった水でぜいたくに水浴び。

今は使われていないものの、最近までは修道女のちょっとした避暑地に

まさに憩いの場

 

プールのそばには、磔にされたキリスト像。

神に見守られながら水浴びを楽しむという、修道院ならではのシチュエーションです。

 

そばには、心をうるおす湧き水。

こちらも山から流れる水。

プールは使えないけど、この湧き水は自由に飲むことができます。

手ですくうと、一瞬のひんやり感とともに滑り落ちる。

口に運ぶと、少しとがったような冷たさが身体じゅうを駆け抜ける。

心地よくて、疲れた身体に見えないチカラが宿るよう。

ただの水なはずなのに、特別な「何か」を感じるような

おいしいです、文句なく。
ペットボトルを持ってきて、詰めて帰ってもええんやで。

無料です(良識の範囲内で…)。

 

 

修道院とともに暮らす牛たち

 

綺麗な水が湧き出るような、大自然の中にあるHancu修道院。

かつてここで修道女たちが自給自足の生活を送っていた名残が、今も残っています。

今でも、修道院の周りにはゆったりとした時間が流れます。

特別に、牛小屋を見せてもらいました。

 

修道院の牛小屋。牛がずらり…!
一歩足を踏み入れると、一斉に牛が「モ~」って鳴き始める。

めっちゃびっくりした。

 

 

ヘアスタイル、むっちゃおしゃれやん。
手を伸ばすと、何のためらいもなくぺろぺろ。舌がざらざらしていた。

お母さんと勘違いしてるのかな…(笑)

 

あどけない表情。どの牛も表情が違って、かわいく思えてきた。

 

日本の都会で暮らしていると、牛にじかに触れることなんてそうそうない。

今でもこうやって生活がいとなまれているんだなあって思うと、しみじみとしました。

 

毛並みがつややかな馬も。

今も日常的に、馬に乗って荷物を運ぶ習慣があるんだなあ…

 

現地の人に案内されるがまま、何気なく修道院を訪れたら、モルドバの歴史に翻弄された過去を知りました。

 

観光+αの旅をするなら、少しだけでも歴史や文化を知ることは必須だと感じています。

Hancu修道院を訪れて、現地の人々の暮らしを垣間見ることができました

 

ちなみにバスや電車でのアクセスが難しいところにありますが、首都キシナウから車やタクシーをチャーターしての旅も悪くないと思う。

ちょっとモルドバを見るだけじゃ物足りなくなったら、おすすめのスポットです(だけど現地の人々の邪魔はしないようにね!!)。

 

 

Hancu修道院(Mănăstirea Hâncu) 基本情報

 

 

住所:Hâncu MD-6442, s. Bursuc, r. Nisporeni
アクセス:首都キシナウから車で1時間。車やタクシーをチャーターするのがおすすめ
参考リンク:http://moldovaholiday.travel/index.php?option=com_k2&view=item&id=32:hancu-monastery&Itemid=38&lang=en (モルドバ観光情報)

 

 

Hancu修道院の前に…

伝説を信じ、モルドバの人々がこぞって訪れる「青い修道院」にも行きました。

不可能も可能にするという、伝説は本当なのか…?(帰国した今もわからない)

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現実にある建物とは思えないくらい、美しい。モルドバで出会った「聖クセラウカ修道院」は、美しい青をまとう。美しさとともに、人々が信じる「奇跡」の伝説についても。

 

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