お世話になります。ヨーロッパ女子ひとり旅専門家のカジヤマシオリ(@Kindermer)です。
ウクライナの首都・キエフ―モルドバの首都・キシナウ間の移動には、飛行機を使いました。
旅行の前にネットで調べても、バスや鉄道で移動したという体験談は出てくるのですが、飛行機で移動したというのはほとんど見かけませんでした。
たしかに、値段がぜんぜん違う。
飛行機だと往復2万円以上しましたが、バスなら1000円台で移動することも可能みたいです。
(路線にもよるけれど)
にもかかわらず、なぜ飛行機で移動したのか?
これからキエフ―キシナウ間の国境越えをもくろむ人に向けたオススメポイントと合わせて紹介します。
目次
未承認国家「沿ドニエストル共和国」経由が怖かった
私が飛行機での国境越えを選んだのは、何といっても「沿ドニエストル共和国」のことが気がかりだったから。
「沿ドニエストル共和国」とは、ちょうどウクライナの海側とモルドバに挟まれた国のこと。
この国、実は未承認国家です。もともとはモルドバの一部ですが、ロシアびいきの人が多いエリア。
モルドバが独立する際にルーマニア寄りの立場を取ったことが原因で「沿ドニエストル共和国」として独立し、別々の道を歩むことに。
しかしモルドバをはじめ、世界的には国として認識されていません。まだモルドバの国土の一部ということで、未承認国家と扱われています。
ウクライナ―モルドバ間を陸路で移動すると、沿ドニエストル共和国を経由するルートがほとんどです(もちろん経由しなくて済むルートもあるけど、遠回りになることが多い)。
電車またはバスで経由すると、いろいろやっかいだとネットでちらほら見かけていました。中には詐欺に巻き込まれたり、すんなり経由できなかったりした人もいるらしく。
そのやっかいごとは、日本語どころか英語も通じない、未承認国家をよそ者が経由するがゆえに起こるもの。女子ひとり旅では、なるたけ危険な橋は渡りたくない。
国境越えできないとなればかなりの損害だし、もしかしたら自分の身の安全も守れないかも。
飛行機なら沿ドニエストル共和国を通過しなくて済みます。高いけど。往復2万円以上する。
飛行機で移動した結果、沿ドニエストル共和国を経由することで起こるやっかいごとを回避できましたよ。ちゃんと。
それでは、「沿ドニエストル共和国」を経由するとどんなやっかいごとが起こりうるのか?ネットの声を集めてみました。
・パスポートにスタンプを押してもらえない!?
最も多かったトラブルが「パスポートにスタンプを押してもらえない」というもの。
出入国の際に、それぞれの国境でパスポートをチェックされ、入国・出国スタンプが手に入るはずですが…
モルドバ側としてはまだ自国の一部という認識なので、沿ドニエストル共和国からモルドバに足を踏み入れても、もともとモルドバにいたという扱い。
たとえば名古屋からいったん北海道に降り立って樺太(ロシア)に行くのと同じ(北海道は未承認国家じゃないし、極論ですが)。
だからモルドバの入国スタンプがもらえないこともある、ということです。
実際に、もらえなくて後々の移動でいちゃもんつけられた、という人も。
シェンゲン協定加盟国どうしならパスポートのチェックなしで自由に移動できるけど、非シェンゲン協定加盟国のウクライナ―モルドバ間ではNGです。
きっちり経由した国のスタンプがないと「ん?お前どこから来たんだ?」といちゃもんつけられます。
飛行機で移動する場合もきっちりパスポートのチェックが入りますよ!
ちなみに、ウクライナを出て72時間以内にモルドバ入国のスタンプを手に入れないと、罰金200レイ(約1万円)がかかる。
1万円くらいなら…と割り切れたとしても、手続きは面倒だよ。
言葉が通じない国での手続きは不安だし時間もかかるだろうから、そのことも考えると、確実にパスポートにスタンプを押してもらえる飛行機での移動はメリットがかなりデカい。
手続き、めっちゃ心細いと思いますから…
・トラブルの話がつきない!?
パスポート関連のトラブルと合わせて「警察に罰金をとられた!」「カメラを取り上げられた」という報告もちらほら。
未承認国家ゆえか、よそ者の滞在や通り抜けには敏感なようです。
セキュリティでカメラの中のデータをくまなくチェックされた、という人もいるみたい。
未承認国家というものめずらしさに、いくら車内からでもカメラを振り回すのはちょっと危険…
しかも英語が通じないので、なんで罰金やカメラを取り上げられたのか?わからないのがなお怖い。
謎の値下げのやり取り?をした人もいるそうで。
モルドバは官憲の腐敗もある国なので、いくら警察でも、賄賂を欲しがっても何らおかしいとは思わないですね…
私が見かけたトラブルはごく一部。
言葉が通じないのをいいことに、犯罪の標的にされてもおかしくないのが外国です。
・気まぐれな運休は仕方ない…?
バス会社や路線によっては、お客さんが少なすぎるのを理由に運休…というケースもあるようです。
超気まぐれで都合主義の理由。日本じゃまずありえない。
でも異国の地では文句言えないですね…
飛行機なら、天候不良やストライキなどがない限り、お客さんが少なすぎるのを理由に運休ってことはまずありません。
飛行機を選べば、気まぐれな運休というリスクも(ある程度)回避できるかと。
ウクライナ国際航空を利用した感想
ちなみに、キエフ―キシナウ間を飛行機で移動する際は、ウクライナ国際航空を利用します。
いちおうウクライナのフラッグ・キャリアで、ウクライナ最大の航空会社です。
ウクライナの国旗と同じく、鮮やかなブルーとイエローが特徴的な機体。
国境越えとはいえ、フライトは1時間くらいなんですよね。
そこまでサービスもないし「めっちゃよかった!」と感じることもありませんでした。設備も簡素的。
シートは3×3の短距離用。正直狭いけど、1時間くらいなら気にならない。
2018年7月時点で、キエフ―キシナウ路線は1日1便のみ就航。
しかも早朝と夜の運行。そのためか、行きも帰りも満席。
(たぶん)ウクライナかモルドバの人しか乗ってない。アジア人は一人も見かけませんでした。
未承認国家を経由する不安はなくても、慣れない土地での移動には不安がつきものですね。
無事移動できて本当によかったよ…
ウクライナ―モルドバ間を飛行機で移動すると…
メリット
- 未承認国家を経由する不安はない(ちゃんとパスポートにスタンプ押してもらえる)
- 意外とラクチン、早い
- トイレつき
- CAさんがめっちゃキレイ
- そこまで乗り心地は悪くない
デメリット
- とにかく値段が高い(往復2万円以上)
- お客さんが多い
- 早朝または夜にしか移動できない
- サービスは最低限
- 空港まで遠い…(中心部からバスで約1時間)
ウクライナ―モルドバ間の飛行機を手配する方法
ウクライナ―モルドバ間を飛行機で移動するにあたって、まずは「スカイスキャナー」で最安値・ルートの把握をしました。
航空券の比較・把握だけなら、断然スカイスキャナーが使いやすいです。
月ごとの最安値を一覧で把握できるのも便利かも。
比較・把握し終わって、実際に航空券を予約したのは「スカイチケット」という予約サイト。
いちおうHISでも予約できるみたいですが、スカイチケットの方が安かったため。
とくに不手際やトラブルもなく、ちゃんと手配できました。
まとめ
キエフ―キシナウ間の国境越えの方法は主に3つ(バス、電車、飛行機)あるわけですが。
予算やスケジュールに合わせて選ぶのが賢いと思いつつも、やはりお金をかけて飛行機で出入国するのがベストなんじゃないか、と感じました(実体験から)。
バスや鉄道で未承認国家を経由するスリルを楽しみたいならそれはそれで…(笑)
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