お世話になります。ヨーロッパ女子ひとり旅専門家のカジヤマシオリ(@Kindermer)です。
いい加減、2017年11月のブダペストでの思い出をまとめなければ…!
ということで、ブダペストでおすすめのレストランをひとつシェア。
冬にはクリスマスマーケットが開かれているヴェレシュマルティ広場から、にぎやかなヴァーツィ通りを歩いて5分くらい。
「今日何食べよう…一人だしなあ…」ときょろきょろしてた私が入ったのは
「カサブランカ レストラン&ステーキハウス」でした。
店先で店員さんが呼び込みしてて入りやすかった。
名前のとおり、ステーキが売りのレストラン。
ハンガリーにいるから、それっぽいもの食べておきたい!と意気込んで頼んだのは、
マンガリッツァ豚のステーキでした。
超渋いインテリアとともに、美味しいステーキを紹介しますね。
石焼の豪快なマンガリッツァ豚!!
「マンガリッツァ豚なんて食べたことないよ…」
と席に腰かけながら考える。どうしても食べておきたかった。もう、迷わなかった。
石焼の鉄板でジュージューと音を奏でるマンガリッツァ豚。食欲をそそる香り。分厚い。
カメラを手にするのと同じタイミングで、店員のおいちゃんがおもむろにフォークとナイフを持つ。
ステーキの端を切り分け、断面をアツアツの石に押し当てる。
唐突に始めたので、私は一瞬固まってしまった。
「OK?」と聞いてきたので、ああ、こうやって食べろって意味で始めたんだと理解する(遅いよ)。
有無を言わさぬ雰囲気だったので、うんうんとひたすらうなずく。
そんなやりとりを終え、おいちゃんが切り分けてくれたのを口に放り込む。
とにかくジューシー。
無駄な脂っこさがなくて、どんどん食べすすめてしまう。火の通り具合が調整できるのもいい。
ステーキの断面に石を押し当てて火を通すのって、なんか、わくわくする。
筋や脂身はなく、食べやすい。ボリュームがあって、大満足の食べごたえ。
これが天下のマンガリッツァ豚なのかと感動する。
塩コショウのバランスも絶妙。マンガリッツァ豚のおいしさをちゃんと引き立てている。
ポテトは鉄板の外、サイドにてんこ盛り。
これでもかというくらい。サイドディッシュの範囲をゆうに超えている。
マヨネーズとピリ辛ソースつき。ステーキよりもこっちのほうがボリューム的に半端ないけど、無心で食べ続ける。
ゴッドファーザーと私
半分くらい食べたところで、ステーキを持ってきてくれたおいちゃんが、「うまいか?」と再び有無を言わさぬような雰囲気で聞いてきた。
たぶん、私が一人で来ているというのと、無心でほおばっているからだと思う。
おいちゃんって言ってるけれど…雰囲気がゴッドファーザー。
ぜんぜん笑ってない。
ちゃんと食べ方のレクチャーしてくれたし、接客が悪いわけじゃない。素敵な男性ではあるけれど、雰囲気が、ゴッドファーザー。
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ゴッドファーザーってパート3まであるんか…(恥ずかしながら)
無駄に身構えている自分(謎)
素敵なおいちゃんと、しばらくレストランの1階でふたりきり(ほかにお客さんがいないんだもん…)。
ハンガリーのトカイワインとかパーリンカとか、お酒を頼めばよかったんだろうけど…
ひとりで帰路につくことも考えて、水。
ハンガリーの母なる海、バラトン湖の。
瓶のデザインもフォトジェニックやんな。
映画「カサブランカ」の世界観
ひと段落ついたところで、改めて、店内を見渡す。
どこか宮殿の晩餐会を思わせる、アールヌーヴォーな内装。素敵。
あちこちに著名人らしき写真がかけてある。
それだけ有名な店ということだろうか。
そして、どこかで見かけたことのある白黒の写真を発見した。
黒人男性がオルガンを弾く。その傍らにジゴロ風の白人男性。
映像のワンシーンらしい。
今まで見た映画を思い返すと、心当たりがあった。
2017年にキャセイパシフィック航空の機内で見た「カサブランカ」という映画のワンシーンだった。
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なるほど、だから店名が「カサブランカ」なのか。
1942年、戦時中のアメリカ映画。
モロッコのカサブランカという街で繰り広げられる、超ノスタルジックな恋愛劇。
主人公が経営する酒場で、彼がパリにいたときに付き合っていた女性と再会。しかし彼女には夫がいた。
この微妙な三角関係に、当時の世界情勢や暗殺劇が複雑に絡み合う。
主人公が経営していた酒場で、ピアノを弾いていた黒人男性と談笑していたシーンがこの写真にあてはまる。
ピアノを弾く黒人男性は、主人公に雇われている専属ピアニスト。
オーナーを信頼しきっている黒人男性と、自分が国外逃亡したあとの彼の行く末を悩む主人公。
傍らにいるのは、主人公の命を狙う警察…とても複雑なシーン。
映画の中では、主人公と再会した元恋人に「あの曲が聞きたいわ」と促され、弾き語りする場面も。
実際、作中での演奏はずっと音に合わせてフリをしていたんだとか…
…と、とにかく、超むずかしい映画でした。
ムードたっぷりでロマンチック、かつ劇的ではあるけれど、戦争や政治のことが複雑すぎて、頭がおいつかなかった記憶がある。
素敵な映画だけど、とにかく、難しい。
ノスタルジックな雰囲気漂う映画の世界を、頭の中で高速再生。
浸る。とにかく浸る。私は浸る。
昔とは違うふたりの関係、命をかけた生きざま…
そうやってひとりの時間を楽しんでいたら、先ほどのおいちゃんが伝票をおいていった。
値段を見る。8857フォリント。(約4425円)。
こんな値段の食事をすることは、私の旅ではなかなかない。
伝票をよく見ると、サービス料込(いわゆるチップ)の値段だった。
ブダペストの繁華街にあるアールヌーヴォーなレストラン、だからね。
マンガリッツァ豚自体の値段は6500フォリントほどだったと思います。
お金を用意して帰る準備をしていたら、ホールの担当が、おいちゃんからザック・エフロン系の超イケメンに変わっていた。
これはこれでまた挙動不審になる私。
横目でちらりとイケメンを確認し、お礼を言って、店を出た。
「バイバイ」と言われたけれど、在庫チェック中か何かで、こちらへ目線は向かなかった。
外にもたくさんのテラス席がずらーり。
店内には2階席もあったのに。このレストラン広すぎる。
私がふらっと寄ったときは雨だったのでアレですが、繁忙期にはこのテラス席も人でいっぱいになるんだろう。
しかし寒そうだ…
さいごに
- ブダペストの繁華街にあるレストラン 分厚い石の鉄板でじゅーじゅー。肉厚マンガリッツァ豚は絶品
- 牛ステーキや魚料理もありました。
- アールヌーヴォーな雰囲気の店内で過ごすのがおすすめ。
- 映画「カサブランカ」の世界観がモチーフ
- ゴッドファーザーとザック・エフロン系のイケメン
午後6時前後までなら空いていて、ひとりでも入りやすい雰囲気です。
ひとり旅だけどマンガリッツァ豚食べたい!という人はぜひ。内装とゴッドファーザー的なおいちゃんも素敵だったよ。
あ、同じブダペストで朝食を楽しむなら、「サーカスカフェ」が一番いい!
おしゃれな店内でいただく絶品エッグベネディクト。
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