お世話になります。ヨーロッパ女子ひとり旅専門家のカジヤマシオリ(@Kindermer)です。
世界遺産検定2級の勉強を機に、どうしても行ってみたかった世界遺産。
ウクライナの首都・キエフにある「ペチェールシク大修道院」です。
複数の大聖堂や地下墓地、博物館の集まる場所の総称。1990年に世界遺産入りした場所です。
キエフでは他にソフィア大聖堂も一緒に登録されました。
金色とエメラルドグリーンのドーム。白い壁。
金色に装飾されたイコン(聖像)、貴重な壁画。
キエフの歴史を語るのには欠かせない、気高さ漂う場所でした。
ペチェールシク大修道院を訪れたら外せない見どころを紹介します。
目次
きらびやかで息をのむ!「ウスペンスキー大聖堂」
11世紀に建てられたウスペンスキー大聖堂。ペチェールシク大修道院のメインとなる建物のひとつです。
まっしろな壁と、黄金色のきらめくたまねぎ型のドーム。とにかくきらびやか。
小窓のようなところには聖人の姿がずらりと書かれています。さすがロシア正教…
壁の一部が茶色いのは、建てられた当時の様子を伝えるため。
1000年近く前の建物だから、もちろん幾度となく修復を重ねています。
後ろ側はこう。聖像は少な目ですが美しいたたずまい…
大聖堂の入り口はこちら側にあります。
やはりメインの建物だからツアー客がいっぱい集まってます。
まず大聖堂を見上げてみるとコレ。
ドーム内にはびっちりとマリア様やキリスト等のイコン(聖像)が描かれています。ところどころ金色の装飾も。
これがロシア正教の美しさなんだよなあ。よく見ると、人の顔からそのまま天使の羽が生えていたりして、なんだかグロテスク要素もあるような気がしました。ユニーク。
天井からぶら下がったシャンデリアも安定の豪華さです。ぎらっぎら。窓の形もユニークですね。
大聖堂の2階部分にあがれました。2階エリアはほとんど修復中。
ホール部分にある祭壇。
見上げても大迫力のきらきらな祭壇でしたが、この位置からなら全体が見下ろせます。
キリストはもちろんほかの聖人たちも、細かいところまで書き込まれています。
背景も金色なんて。柱や壁にもびっしりです。
シャンデリアがこの位置にあります。大迫力。
壁にも修道士たちの群像が。たくさん顔が書き込まれていて、その仕事ぶりに感心。
さっきの大行列で見た修道士の服といっしょのものが描かれていました。
どうせならミサの時間帯に来たかった、なんて思わせるような雰囲気でした。
修道士たちの大行進
大聖堂の中に入ろうと思ったら、大きな音が近づいてきて。
振り返るとご覧のとおり、修道士たちの大行列。赤と黄色のきらびやかな衣装を身にまとった人と、黒ずくめの人。
その後ろに地元の人や観光客がぞろぞろついていってます。
(もはや大名行列)
儀式も兼ねてるんだと思います。
このあとそのまま大聖堂の修道士だけ出入りできるエリアに消えて行きました。ほええ
たしか見かけたのは11:00前だったかな。タイミングがあえば見かけるかもしれません。
絶景!鐘楼からの景色
ウスペンスキー大聖堂を見学し終わったら、すぐそばに建ってるまあるい屋根のついた鐘楼へ。
めっちゃ大きい塔です。18世紀ごろに建てられました。
入り口でチケットを提示し、階段をぐるぐると登っていった先には…
古くて大きな鐘がぐるりと並んでいました。
私がいたときには鳴らなかったけど、大修道院じゅうに鳴り響くような音色を聞かせてくれるそう。
展望台からの景色がこちら。
大聖堂のきらっきらのドームが自分の目線と同じくらい。しっかりと見下ろせます。
人がほんとにちいさい…
方向を買えれば、ドニエプル川の向こう側まで見渡せました。
やはり高層ビルや集合住宅が多い。川の向こうはそういうエリアです。
天気があまりよくなかったので、ちょっともやがかかっている感じ。それもまた趣があってよくないですか?
この景色を見られただけでも満足かも。
展望台よりもさらにうえへのぼる階段もありました。一般観光客は立ち入れないエリアです。この塔はさらに高いのか…
とはいえ、展望台までナン百段も階段があるわけじゃないのでご安心を。
吹きさらしの「チボリウム」
塔のすぐそばに、可愛らしい天蓋のついた場所。
吹きさらしですが、こちらも聖堂のひとつらしいです。とくにお祈りをしている様子もなかったですがね。
20世紀初めに建てられたものです。
ちいさなモニュメントみたいなものや建物でも、何かしらのいわれがあるみたいでうかうかしていられないです。
「全聖人の教会」にはお土産屋さんも
入り口を兼ねたこの門も教会のひとつ。「All The Saints」って書いてあったから、全聖人の教会ってニュアンスでよいかと。
17世紀末に建てられた、ウクライナ・バロック様式の美しい建物。
いまはお土産屋さんも兼ねているそうです。見て帰る気力がなかったものの…
撮影禁止!「地下墓地」
大修道院で見逃せないスポットのひとつが、地下墓地です。
大修道院には地下墓地はふたつあり、これは「Near Caves」と呼ばれるほうです。Farのほうはほんと山奥にあるので諦めました。
大聖堂や教会などの大きな建物の集まるエリアから、坂道を下っていくと地下墓地があります。
この周辺は入場無料でした。地元の人がいっぱい。展望台も大聖堂もひとりじめ状態だったのにね(笑)
門の先に地下墓地の入り口があります。
その先は洞窟のよう。真っ暗な中に修道士たちのミイラが眠っています。街灯なんてないので、入り口でろうそく(3グリブナ)を購入してすすんでいきます。ろうそくの灯りに照らされたイコン(聖像)が崇高な雰囲気でした。
撮影禁止なのはしゃあないよなあ。写真のことは忘れて、しっかりと祈りをささげました。
墓地は、荘厳という言葉がぴったりな雰囲気でした。こんなスポットほかの修道院にはなかなかないと思います。
ペチェールシク大修道院へ行く前に知っておきたいこと
ウクライナの誇る世界遺産、訪れるならめいっぱい堪能したいところ。
観光する前に知っておきたいことは以下の通り。
しっかり観光するなら半日はみておくとOK。ぜひ午前中に!
入り口にあった全体案内図。丁寧に英語訳つきです。
大修道院の敷地内はとにかく広くて、博物館・大聖堂・地下墓地ぜーんぶ見て回るとゆうに3時間以上はかかります。
大修道院の外壁の一部がこれ。
すごく長いし傾斜もあるしでおおうってなりました…17~19世紀にかけてつくられた外壁だそうです。
この長さをみてもわかるとおり、それぞれの間を歩いて移動するのも時間がかかります。
スケジュールに余裕はもっておきましょう。
いちおう大修道院は19時ごろまで見学可能ですが、場合によっては16時ごろで閉まることもあるようです。午前中のうちに見学を始めておくと余裕をもって見学できると思います。
見学エリアによってチケットが異なる
チケットの販売所はこの門の下。
メインの門で、12~18世紀に建てられたとざっくり。ですが美しい門です…ずいぶん色あせていますが、外壁部分が聖人像で彩られていたことがわかります。
立派に黄金色のドームがかがやく。
またはこの門の下でもOKです(全聖人教会の建物も兼ねている)。
大聖堂や大鐘楼などの外観をざっと見て回るだけなら30グリブナでOK。
大鐘楼の展望台は60グリブナ。ぜんぶ見学できるチケットは200グリブナくらいでした。一眼レフで撮影したいときは200グリブナを払って追加チケットを購入。スマホだけなら無料とのこと(謎)。
ぜんぶ見るんだったら「ALL!」と言えばチケットの金額を教えてもらえるはずです。
むやみに修道士さん・巡礼者にカメラを向けない
漂う崇高な雰囲気からもわかるとおり、ペチェールシク大修道院は、由緒あるキエフの巡礼地。世界遺産だから観光客も多いですが、私が訪れたときは修道士さんと巡礼者ばかりでした。
歴史が始まってから1000年近く経った今も、熱心なロシア正教の総本山かつ巡礼地です。敬虔な信者がたくさん集まってます。
修道士さんは黒い服装なのですぐに分かると思います。とくに修道士さんは珍しい格好というか、建物と調和する格好でついカメラを向けたくなるかもですが、ぐっとこらえて。
建物を撮影するときに映り込むぶんには問題なくとも、むやみな撮影はNGです。信者の人も同じく。騒がずに、ともに静かに祈りを捧げる時間を。
軽装はNG!女性はストール・ロングスカートがマスト。
(実際にマトリョーシカみたいな格好の女性がいっぱい訪れていましたし)
世界遺産登録されて観光客も多い場所ですが、訪れる際の服装には気をつけて。
まず、サンダル・短パン・タンクトップはNGです。
私が訪れたときは春(冬のような)だったのでそんな人いませんでしたが、白い目で見られたり、状況によっては門前払いかも。
とくに地下墓地は、巡礼者にとって大切な場所。厳かな雰囲気が漂います。
観光客であっても女性は頭にストールをまいて、ロングスカートをはいて。カメラもNGです。「見て帰れなかった…」なんてことにならないよう、ちゃんと用意しておくといいかと。
ペチェルースカ大修道院、おすすめのアクセス方法
キエフの街はとにかく坂道が多い…ペチェルースカ大修道院はドニエプル川沿い、街の中でも高台にあります。
中心部にある独立広場から歩いていくのはなかなか大変です。体力と時間が有り余っていれば別ですが。
坂を上ったり遠回りしたりして50分以上はかかるかと。
私のおすすめは、Alsenalna駅まで地下鉄でアクセスし、そこから20分くらい歩く。
アップダウンも少なくておすすめです。
直線距離としてはドニエプル川沿いのDnipro駅のほうが近いのですが、入り口が川沿いにないため回り道せなアカンのでAlsenalna駅のほうが所要時間短めです。
↑永遠の栄光公園
Alsenalna駅から修道院までの道のりには、自然豊かな「永遠の栄光公園」や「ホロドモール記念博物館」など、戦争で犠牲となった人々に関する展示やモニュメントのある場所が集まっています。現代的なデザインだけど厳かな雰囲気。
ホロドモール記念博物館の入り口の上にでっかいモニュメント。
きらびやかな修道院やモニュメントの多い中心部とはまた違う表情でした。
モニュメントのある展望台からはドニエプル川と街並みが見渡せます。それはそれで楽しかったです。
ただただ広がる非現実な世界
こんな場所がいまも残るなんて、キエフってすげー街だなあ…
と途方もないことを考えてしまいました。ついつい。
迷いがあったとき、とてつもなく不安なとき、よくペチェールシク大修道院で見た風景を思い出します。
きっと地元の人々にとっても誇りに思う場所なんだろうなあ。お土産屋さんのポストカードもペチェールシク大修道院のものが多かったし。
キエフを訪れたら外せない観光スポットのひとつですよ!見逃さないで!
ペチェルースカ大修道院
住所:Lavrska St, 15, Kyiv
時間:6:00~20:00
アクセス:地下鉄Alsenara駅から徒歩20分
公式サイト:https://lavra.ua/en/
大修道院の公式サイトでは360度カメラや生配信などもやってます。私もときたま見てます(英語あり)。
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