お世話になります。ヨーロッパ女子ひとり旅専門家のカジヤマシオリ(@Kindermer)です。
モルドバほどではないんだけど、ロシアのお隣・ウクライナも旅行の情報が少ないなあと感じました。
実際に旅をしてから、初めて「マジかよ…」って感じる出来事もあったし。
これからウクライナを訪れる方の参考に、「これだけは知っておいたほうがいいんじゃないか?」と思ったことをまとめておきます。
特に気になる治安や物価についても。
目次
これだけは知っておきたい、ウクライナの基礎情報
まずは「ウクライナってどこやねん」。
いまいちぴんとこない人も多いと思うけど、ロシアのすぐ隣だと説明すると「おお!」って反応されることがよくあります。
東ヨーロッパにある国です。他にはベラルーシの南、モルドバの隣。ハンガリーやポーランドにも国境を接しています。
お察しの方も多いと思いますが、ウクライナはロシアの影響をずっと受けてきた国です。
実際、1991年まではソ連の国のひとつでした。
2014年3月に、ロシアがクリミア自治共和国を編入すると宣言したことは記憶に新しいですね。
2000年に入っても何度か国内で革命が起きています。
独立のために幾度も戦った歴史がある国です。
地域によっては政情が不安定な状態が続いているので、渡航情報をじゅうぶん確認することが大切です。
とはいえ、キエフやリヴィウなどの大都市は危険があるような感じではありませんでした。
国名:ウクライナ(Уiкраїна)
面積:約603,500㎢(日本の約1.5倍)
首都:キエフ
通貨:グリブナ(1グリブナあたり約5円)/コピーカ
アクセス:日本から飛行機の直行便はない。ヨーロッパ内、カタールなどで乗り継いで19時間はみておくと安心。同じヨーロッパ内で乗り継げば、首都キエフ以外(オデッサ、リヴィウなど)の空港から入国も可能。
4月の気候:気温の変化が激しい
4月中旬、イースター期間の首都キエフ。
ここでは、私が旅した4月のウクライナの気候について説明します。
キエフに到着した日(4月中旬)はTシャツ一枚でも暑いくらい、翌日はこごえるような寒さ…という気候でした。
4月は服での体温調節がとにかく難しい気候。
こんな気候なので、春に旅する場合でも薄手のセーター・コートを持ち歩くべき。
超寒がりな自覚があれば、ヒートテックインナーもあると安心だと思う。
寒いときは本当に寒い、あなどるなかれ!
ウクライナに限らず、春先のヨーロッパ旅は、さらっとはおれるアウターが重宝します(これホント)。
物価:安い!
駅前のカフェスタンドで購入。チキンクリームがおいしい、ほくほくのサンドイッチ。
物価に関しては、とにかく安いです!(2018年4月現在)。
東南アジアのほうが安いかもしれませんが、ヨーロッパばかり旅していたら感動するくらいに物価は安いと思います。
以前旅したハンガリーも物価が安いと感じたけれど、それを軽々と上回ってきました。すごい。
参考までに、ウクライナで使ったお金の内訳をちょっぴり紹介。
- イタリアンレストランのボルシチ(パン、パテ付) 69グリブナ(約345円)
- Felicitaピザ(32センチ) 137グリブナ(約685円)
- 女性用ドミトリー1泊分(ベッド1台) 280グリブナ(1189円)
ここで紹介したのは首都キエフの街中での値段なので、地元のお店や郊外ではもっと安くすむかも。
スーパーをチェックしても、野菜やフルーツが安い印象がありました。自炊すればかなり節約できそう!
治安:少し物騒。キエフはとくに治安が悪い
ウクライナの治安の悪さは…イタリアを訪れたときとはまた別のものが。
とくに、キエフでは「これヤバいな」って感じた瞬間がちょくちょくありました。
その瞬間をざっとまとめておきます。
- 物乞いの少女につきまとわれた
- 地下鉄の券売所でおつりを奪われそうになった
- 駅の両替所で観光客の荷物を狙っている人がいた
たぶん私が気づいていないだけで、まずい瞬間は多々あったはず。
私は無事に帰ってきましたが、今までのヨーロッパ旅では経験したことのない物騒さがありました。
特に危険だと感じたのは、地下鉄ヴォクザーリナ(Вокзальна)駅の改札前。
自動券売機やチケット売り場、入り口付近はほとんど電気がついておらず、真っ暗。
人も多くて、財布をスられてもすぐには気づけないような雰囲気です。
中央駅もあまり治安がいいとは感じませんでした。
この二つは、移動でよく訪れるスポットだと思うから。気をつけて!
あと、ウクライナの歴史が動いた独立広場付近も。
ここには、キエフを訪れる旅人の間では有名な着ぐるみ集団、タカ操り軍団(?)がいます。
彼らはフレンドリーに近づいてきたと思ったら、半ば強引にスマホを奪って写真撮影。すると、態度を変えて「金払え!」と脅してきます。
お金を渡さないと逃がしてくれないかも。目もあわせず、近づかないのが一番です。
着ぐるみのクオリティも驚くほどに低いので(笑)相手にしないように!
ちょっと物騒な話をしましたが、キエフもすごぶる治安が悪いわけではありません。
現地の人にたくさん助けてもらったし、荷物を持ってもらうこともよくあったし。
そして日本によいイメージを持っている人が多かったように思えます。
キエフでは怖い思いをしましたが、ポーランドとの国境近くにあるリヴィウ(Lviv)という街は穏やかな雰囲気でした。
危険なことも起こりませんでしたし、ゆったりとした時間が流れていました。
物乞いやタクシーの勧誘につきまとわれることもありませんでした。
同じウクライナでも、街によって雰囲気が変わるのかも。
両替:レートの変動に要注意。日本でユーロに両替しておくのがマスト
ウクライナの通貨はグリブナまたはコピーカ(コピーカはグリブナの100分の1。単位が小さすぎて受け取る機会がほとんどない)。
街中でユーロはほとんど使えない。
キエフ・ボルィースピリ国際空港や街中の両替所では、日本円→グリブナに両替してくれるみたいだけど…
レートがいまいちなので、日本でいくらかユーロ・ドルなどを調達したうえで、現地の両替所に持っていくのがおすすめ。
街の中心部から離れていなければ、両替所はあちこちにあります。
両替のことが気になるなら、現金のほかに海外で使えるクレジットカード・プリペイドカード類があると安心。
両替所に行かなくてもその場で支払いできます。
とはいえ、ウクライナはまだクレジットカードで支払えるお店が少ない。コーヒースタンドや屋台、市場では使えないけど、観光スポットやちゃんとしたレストラン・カフェならだいたいOKです。
その場での支払いだけじゃなくて、現地のATMで現地通貨を引き出せるのも大きなポイント。
多額の現金を持ち歩くリスクもないし、私はいつもそうやってます。
英語は(ほぼ)通じない。ロシア語は通じる
ウクライナには、ウクライナ語という公用語があります。英語はほとんど通じません。
街中でもあまり英語表記がなかったし、英語も聞こえてこない。
かといって、観光スポットやホテルで意思疎通ができないほどではない。
だいたい、ウクライナ語の隣に英語表記があります。
カタコト英語でコミュニケーションを取る感じです(笑)
むしろ、日本人なのに英語でやりとりしていることに驚かれてばかりでした←
ロシア語は(ほぼ)通じます。ロシア語もよく見かけました。
ウクライナ語とロシア語の構造がそっくり(らしい)ということと、旧ソ連の国だったことと、ロシアが隣にあるということと。
「スパシーバ」とか「ハラショー」って適切に返せればけっこう喜んでくれる。
しかし、リヴィウの人々はロシアに対してあまりいい印象を持ってないみたい。
リヴィウをロシア語読み「ルヴォフ」って発音すると、あんまりいい顔しない人が多いって現地の人が言ってました。
むしろリヴィウでは、ポーランド語が通じやすいようです。
同じウクライナでも差がありますね。
持っておくと役立つもの:スカーフやストール
個人的に「持ってきてよかった!」と思ったのが、スカーフやストール。
なぜなら、現地の修道院や教会などに入るときに、女性は頭を覆うものがないと入れない…ということがあったからです。
キエフにある世界遺産のペチェールスカ大修道院内、ミイラが安置された洞窟「地下墓地」がそうでした。
ちゃんと入り口に看板を立てているくらい徹底しています。
入り口でろうそくを買ったうえで、女性は布をかぶって入ることが必須です。
その場で持ってなくても、そばで地元の人が20グリブナくらい~のスカーフを売っているものの…やはり持っておくにこしたことはない。
また、男女ともに露出の多い服装では入れないので注意!
観光客だとスカーフなしでもお咎めのないスポットが多いけど、やはりその土地のスタイルを真似して旅をしたい。
ウクライナの歴史に触れると、見る目が変わる。
さいごに、ウクライナを旅する前のアドバイス。あらかじめウクライナの歴史を知っておくと、旅がぐっと楽しくなります。
地域ごとにたどってきた歴史も、街並みの様子も、人々も、ぜんぜん違います。
私が旅の前に読んだのは「ディナモ ナチスに消されたフットボーラー」という本。
とあるサッカー選手たちが辿った運命のストーリーですが、サッカー好きでなくともウクライナのことを知りたいなら必読です。
食べ物もおいしいし、物価も安いし、人々もとてもやさしい。旧ソ連の建物もなんだかおもしろい。
私はモルドバとともにウクライナを訪れて、本当によかったと思います。
ヨーロッパに旅慣れてきたら、ウクライナ旅をおすすめしたい。
ランキング参加中!!!
コメント