お世話になります。ヨーロッパ女子ひとり旅専門家のカジヤマシオリ(@Kindermer)です。
新型コロナウイルスが流行しはじめてから、このブログも更新が滞ってます。
昨年8月以降海外旅行もご無沙汰だし、いま○○への行き方とか旅を楽しくする○○とか更新してもなあと…
という状況ですが、やはり海外に行きたい。今すぐは無理でも、次の旅のことを考えて、恋人のY氏と幸せに過ごしたい。
ということで!
今までの旅を振り返りながら、旅エッセイをちまちま書いていきたいと思います。
私のヨーロッパ・韓国旅は、楽しいことも、つらいこともありました。
次の海外旅行にそなえて、言葉と写真にすることで、養分をたくわえておきたい。
今回は、海外ひとり旅を始めたきっかけについて。
新卒1年目、21連勤とかわけのわからないブラック企業に勤めながらも、いてもたってもいられなくて、ひとりロンドンへ。
5日間の弾丸ひとり旅でした。
目的はたったひとつでした。その後、スコットランドやオランダへも私を導いた、あの画家の作品。
目次
フェルメール作品を観たくて
大学時代に、17世紀オランダの画家・フェルメールの絵に魅せられました。
東京、愛知、京都などなど…
フェルメール作品来日のタイミングで、国内あちこちを旅しました。
いつしか、40点に満たない彼の作品をすべてこの目で見てやるんだ!と思うようになりました。
昔こんなコラムも書いてましたが…
(フェルメール作品に対する思い入れをつらつらと)
来日を待っているだけでは、叶わない。
一部の作品は、他の美術館に貸出されない、いわゆる「門外不出」状態だからです。
(時差ぼけで目が死んでいる)
ということで卒業旅行、オーストリア・ウィーンで「絵画芸術」という作品を観たのですが。
やはり、所蔵元の美術館で鑑賞するフェルメール作品は格別です。
日本よりも混んでないし、より雰囲気に没入できたような気がした。なによりもこの作品が門外不出だったため、より喜びもひとしおだったような。
でもこのときはひとり旅ではありませんでした。
ヨーロッパをひとりで旅することに不安がなかったわけではありません。お金もかかるし。
ですが、フェルメール作品が待っているなら、行きたい。
その思いのほうが勝ってしまいました。
新卒1年目にしてハードワークで疲弊しきった私を救ってくれるのは、フェルメール作品しかないと思ってたのかもしれませんねアハハ…
イギリス・ロンドンだった理由
約40点のフェルメール作品は、日本に1作品(フェルメールに帰属する、という扱いで)とヨーロッパ、アメリカじゅうに散らばっています。
パリはひとりで行くのには怖い、ドイツは複数都市に作品があるのでまた時間をちゃんと取って見に行きたい、フェルメールの生まれ故郷・オランダも同じような理由。
ヨーロッパのその他の国にあるフェルメール作品は1度見たことがあるし、アメリカはビザのことまで頭が回らない。
てな感じで、イギリス・ロンドンの2日間滞在を決めた私。
ロンドンにはナショナル・ギャラリーに2点、ケンウッド・ハウスに1点あります。
2日もあれば、フェルメール作品を観るという最低限の目標は達成できるだろうと。あとはお買い物したりミュージカル観たりして楽しんでやるんだ!
今考えても、ヨーロッパに3泊5日ってかなり弾丸。フリーランスの今ではそんな旅をしようと思わないです…(笑)
ちなみに、イギリスにはスコットランド・エディンバラ国立美術館にもフェルメール作品がありますが、5日間の日程でエディンバラもはしごするのは厳しいため断念。イギリス王室コレクション内にもありますが、夏のセント・ジェームズ宮殿公開時以外は展示スケジュールが不定期のため、滞在時には鑑賞できないだろうと。
これらの作品にものちのち出会うことになるんですが、その話は後程。
すぐそばまで来たのに…作品はドアの向こう
フィンランドで乗り継ぎ、夜、ロンドンに降り立つ。
初めての海外ひとり旅、ひとりでの移動もはじめて。ヒーヒー言いながらホテルに到着し
(駅チカのホテルで本当によかった)
次の日の朝から、地下鉄でロンドン・ナショナル・ギャラリーへ。
ここでは「ヴァ―ジナルの前に立つ女」と「ヴァ―ジナルの前に座る女」が飾られています。
ええ、この2作品を観るのも初めてでした。
あと少しで、会いたくてたまらなかったフェルメール作品へ。
ミュージアムの1階で手に入れた地図をもとに、フェルメールのある部屋へ向かうと…
開いてない
入り口のところにガラスの扉がすっと立っていて、展示室に入れないではないか!
ガラス越し、遠くの方に「ヴァ―ジナルの前に立つ女」らしき絵が見えるんだけど…輪郭もぼやけるくらい遠くに。
ほかの場所から入れないか試みるも、入れず。
かなり残念な状況に。
注意書きもないし、いったいどういうことだろう?
疑問に思い、朝ごはんも兼ねて情報収集のため近くのチェーン系カフェ「プレタマンジェ」に入り、Wifiを拝借。
公式サイトを開くと、英語で「strike」の文字。
当時の文章をよく覚えていないうえ、わかる部分をつまみながらの解読でしたが、
フェルメール作品のある展示室は、スタッフによるストライキのため私の滞在中は閉室しているとのこと。
スタッフが足りなくて開けられないそうです。17世紀オランダ絵画以外の部屋は開いていたのに…
なんちゅうタイミングで…ホームページをよく確認せず来てしまった私が悪いんですが。
名残り惜しさを抱え、ガラス越しに眺めるフェルメール。
ぎりぎりまでズームをきかせて撮った写真がコレ。
色合いはちゃんと「ヴァ―ジナルの前に立つ女」なんですが、やはりもっと近くで見たかった…
同じ部屋には、フェルメール以外にも、私の好きな17世紀オランダ絵画がたくさん並んでいると思われる。
せっかく来たのに、残念でしかたありませんでした…
不安の中「ケンウッド・ハウス」へ
気持ちを切り替えて…ケンウッド・ハウスにある「ギターを弾く女」を見に行くことに。
今まで来日したことのない作品で、門外不出状態。
ナショナル・ギャラリーは街中にありましたが、ケンウッド・ハウスは中心部から少し離れた高級住宅街の中にあるんですよね。
だだっ広いハムステッド・ヒース公園の中に。
地下鉄レスタースクエア駅から、ノーザン線に載って15分、最寄?のアーチウェイ駅へ。
アーチウェイ駅からケンウッド・ハウスまで、35分以上歩いたようです。
スクショした地図を見ながら。バスで向かう手もあったようですが、時刻表もよくわからず、時間をかけて歩いて向かいました。
初めてのひとり旅にしてはかなり難易度が高かったです…
「本当にこの道であっているのか?」不安になりながら。途中、病院や墓地を目印にして。
しかも、ネットでは分からなかったのですが、上り坂でした…
ようやくたどり着いたケンウッド・ハウス。
豊かな緑の中に、まっしろなたたずまい(なぜか裏側しか撮ってないけど)
かつて英国貴族が暮らしていたというのも納得です。
入場料は無料。フェルメール作品の展示がある部屋は、素晴らしい装飾の部屋をいくつか通り抜けた先にありました。「いったいどこにあるんだ!?」という気持ちで(笑)
ほかの17世紀オランダ絵画とともに展示してあります。
豪華な調度品に囲まれ、ギターを片手に微笑む少女。ほっとしました。人だかりはなくて、ソファにすわってウン十分も眺めていました。
画集で見たイメージでは、経年劣化なのか何なのか、肌が全体的に灰色がかっていて、おでこが不自然に光っている。
ほかのフェルメール作品に比べるとやさしい光があまり感じられないなあと感じていました。全体的に、暗い。
あと、眉毛が濃ゆくて共感を覚えてしまった。
実物はもっとその印象が強かったですが、画集では確認できなかった細かい部分までじっくり鑑賞できました。
顔を傾けて、右にいるはずの誰かのことを見ているのかな。なんて妄想して。
宮殿みたいに装飾は素晴らしくて、うっとりするような雰囲気でしたが、
不安の中フェルメール作品にたどり着けた安心感でそれどころじゃなかった記憶です。
レンブラントやコンスタンブルの作品も飾ってあったようですが、記憶がない…
写真もあまり撮っていません。
もっと撮っておけばよかった…
土曜の午前ということもあり、公園のベンチで談笑するマダム、犬の散歩やランニングをする人がちょくちょくいました。
観光で来た私はそのゆったりとした光景を楽しむ余裕もなく、中心部へ戻りました。
フェルメール作品を求めて、海外ひとり旅を始めた
(↑実際のハムステッド・ヒース公園とケンウッド・ハウス https://unsplash.com/photos/QcfM9TEbVqU
予期せぬトラブルはありましたが、目的の「フェルメール作品を観る」は達成できた、初めての海外ひとり旅。
門外不出状態、日本での鑑賞はできそうにない「ギターを弾く女」を鑑賞できたから、喜びもひとしおだった思い出です。
フェルメール作品を求めての旅が、私の海外ひとり旅のはじまり。
今もそのスタンスは変わってませんが、海外ひとり旅の居心地のよさに気づいて、わりとフェルメール作品関係なく旅に出るようになりました、今では。
最初の海外ひとり旅とは違って、しっかり風景や文化、食べ物を楽しむ余裕が出ています(笑)
最初はマストの目標をひとつだけ、慣れてきたらいろいろ楽しむことを増やす、というのも初心者さんにはいいかもしれません。
ところで、ナショナル・ギャラリーで観られなかった2作品、しばらくしてリベンジを果たしたんですけどね。
その話はまた後日…
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