お世話になります。ヨーロッパ女子ひとり旅専門家のカジヤマシオリ(@Kindermer)です。
一見、私の訪れたモルドバは日本と縁のなさそうな国ですが…
現地で過ごしてみると、日本を敬愛し興味を持っている人が多いことがわかりました。
しかし、実際に日本のことを知るチャンスは少なくて、どんな国かよくわからない…と言われることも。
日本について聞かれて、答えていくうちに感じたこともいっぱいあるから。
風化しないうちに「モルドバ人と話した日本のこと」や、日本に対するイメージを残しておきたいと思います。
目次
「日本人を初めて見た」
モルドバは、日本人の旅先にはあまり上がらない国です。
私は4日ほどモルドバにいましたが、その間に一度も日本人と会うことはありませんでした。
アジア人を見かけたのも1度だけです。
お隣のウクライナでは2~3度あったのに。
人が集まる首都のキシナウで過ごしていても、この調子です。
郊外にあるおうちにおじゃましたときも、「初めて日本人を招いた」と声をかけられました。
深い森の中やウクライナとの国境沿いにある教会でも「日本人の訪問は初めてです」と。
現地に知り合いがいないと訪れるのが難しいような、ガイドブックにも乗らない場所ばかり訪れていたのもあるかもしれませんが…
モルドバで暮らしていると、日本人を見かける機会がほとんどないそうです。
日本という国は知っていても、実際に日本人を見たのは初めてのモルドバ人たち。
今まで何らかのフィルター越しにしか接することができなかった国だからか、日本を別次元にあるように考えている人が多かったです。
もちろん、彼らは日本人と話すのも初めて。
みんな興味津々で「ハシはどうやって使うんだ?」と私を囲んで聞いてきました。
折り紙で鶴を折ってみせると「日本人は本当に器用だ。そんな文化をもつ日本を尊敬する」と言われたことも。
特に、日本人が生みだした文化や経済的な豊かさに感心がある人が多かった気がする。
彼らがが抱くイメージが本当なのか、確かめることができるのはインターネットくらい。
直接日本人と話す機会はそうそうありませんから。
もしモルドバを訪れて、現地の人に何か恩返しをしたいのなら、日本についての質問に全力で答えるのがいちばん喜ばれるのだと実感しました。
「ジャッキー・チェンは日本だったか?」
初めて日本人を見た、と言われたことに関連して。
普段日本人を見かけることもなければ、日本の情報に触れる機会も少ない。
試しに「知っている日本の有名人はいる?」と聞いてみても「うーん」と考え込むことが多かったですね。
しばらく考え込んでから「ジャッキー・チェンは日本だったか?え?」と聞かれたことも。
そもそもアジアとのかかわりが薄いので、香港の大スター・ジャッキー・チェンしか頭に浮かんでこないのです。
モルドバでは、日本は中国や韓国と混同されている現状が浮き彫りに。
「違うよ!彼は香港のスターだよ」と答えたものの(笑)
モルドバの人たちにとっても、日本はなじみのない国なんだなあ、と感じさせられました。
確かに日本でも人気のある映画スターですが…(笑)
「日本人は施設を綺麗に使ってくれるから大好き」
私は首都キシナウにある「アメージング イオニカ ホステル」に滞在していたのですが、
ホステルのオーナーに「もっと日本人に来てほしい」と言われました。
その理由を聞くと、日本人が好きだからということ。
昔日本人のガールフレンドがいたということもあり、日本に興味津々でした(※彼はイタリア・ナポリ人)。
ホステルの壁には日本語で「家族のような」と。オーナー自ら描いたものです。
それと「日本人は施設を綺麗に使ってくれるから大好き」とも言っていました。
私が滞在した際はあまり感じませんでしたが、国籍によってはマナーの悪い宿泊客がいるのかもしれません…
それか、日本人はひときわマナーがよくて、施設を綺麗に使ってくれるということか。
オーナーの日本人に対するイメージがよかったからか、私にとっても居心地がよく、リラックスして過ごすことができました。
何回もオーナーにわからないことを聞いてしまったのですが、何一つ嫌な顔をせず対応してくれましたし。
今まで「アメージング イオニカ ホステル」に泊まってくれた日本人に感謝でしかない。
モルドバは日本人が訪れにくい国でありながらも、このホステルはたくさんの日本人が過去に訪れています。
私がモルドバを出国しウクライナへ向かう日にも、別の日本人がチェックインすると話していました。
すでにモルドバを訪れる日本人に人気のホステルですが、今後も旅人のオアシス的な場所であり続けてほしいなあ…と思わずにはいられませんでしたね。
私もおすすめのホステルです。
「日本人はみんな幼い。そして美しい」
行く先々で言われたのは「幼い」ということ。
私がとびきり童顔ということもあるかもしれないけど、年相応には見えないというのが現地の人々の感想でした(笑)
「こんな小さな女の子が一人で旅をしているのか?アメージングだね!」と言われることも。
「高校生なのか?大学生なのか?」と聞かれたこともありましたしね…社会人だよいちおう(笑)
「君の家族の写真を見せてくれないか?」とせがまれ、家族の画像を見せたときも。
「幼く見えるのは君だけじゃないんだね…」と驚いた様子でした。
元モデルで大人びていると言われる弟でさえも幼い、と。
ヨーロッパあるあるですが、日本人は年相応に見えないのがデフォルトみたいです。
それと「日本人はとても美しい」と言われることがよくありました。
現地の人々にとっては、何も手を加えていない黒髪が美しく、生命力を感じるそうです。
お世辞かもしれないし、本意には突っ込めませんでしたが…(笑)
それに対して、私はモルドバの人々を本当に美しいと思っています。
170センチ以上ある人も多くて、手足が本当に長い。
流行りの格好をしていても、カジュアルな格好をしていても、美しい。
どの人も例外なく、自分だけの「美しさ」があるように感じました。
それでいて、大自然の中で輝く、美しい生命力も感じたような…
「日本が窮屈なら、みんなモルドバ人と結婚しなよ」
「日本に戻りたくない」と、現地でお世話になっていたコゾナック夫婦との別れを惜しんでいたときのこと。
私が日本での暮らしに感じる理不尽さ、窮屈さを話していたからか「日本人はみんなそう感じているのか?それなら、みんなモルドバ人と結婚すればいいんだよ」と、旦那さんが笑いながら話していました。
窮屈さや理不尽さとともに、モルドバの人々の日常がうらやましいとも話しました。
自宅の庭で採れたぶどうで自家製ワインをつくる日常なんて、日本ではまず実現しません。
しかも、それが一般家庭で行われている。人々はとてもやさしく、男性は力持ち。
車のドアも開けてもらうのが普通。
この生活に幸せを感じているから、旦那さんは自信をもって(冗談交じりだけど)「モルドバ人と結婚しなよ」と言えるのです。
言ってることは極論だけど…
日本ではまず実現が難しい「幸せ」が、そこにはあったように感じました。
日本という国自体にうんざりしているので、いっそのことモルドバ人と結婚しようかしら(笑)
「マツダは広島にあるのか?あの原子爆弾が投下された?」
モルドバでも、日本のメーカーの車を見かけることがありました。
日本のことはよく知らないけど、日本のメーカーの車には日常的に乗っているそうです。
日本の車はモルドバでも高く評価されていて、価格も高いと感じているんだとか。
「モルドバの庶民にとっては憧れの車だ」とも話していました。
とくに見かける機会が多かったのが、ホンダ・マツダ・トヨタの車。
これらが日本のメーカーだと知っていても、名前の由来や、どこの街が拠点なのかまでは知りません。
マツダは社長の苗字で、かつ広島に本社があると教えたところ、とてもびっくりしていました。
社長の苗字が社名になっていることもですが、それ以上に「広島」の会社だということが驚きだったそうです。
広島は、第二次世界大戦で原子爆弾が落とされた街。
その惨劇をモルドバ人も知っています。
原爆でいちどめちゃくちゃになった街に、世界に誇る車メーカーがあるというのが信じられないんだとか…
「君の故郷・広島は、あまりにも有名だ」
マツダの本社がある広島に関連して。
私は現在名古屋市在住ですが、22年間を広島県で過ごしていました。
どこから来たのか答えるときは、名古屋と答えたところでヨーロッパの人はぴんとこないことが多いので、広島と答えるようにしています。
モルドバでもそうしていたのですが、広島を知らないと言われたことは一度もありません。
それどころか「広島はあまりにも有名だ」と言われたこともあります。
お察しかと思いますが、それは世界で初めて、原子爆弾が投下された街だから。
日本に対してぼんやりしたイメージしかなくても、広島に原子爆弾が投下された事実はみんな知ってました。
それだけ「原爆」の事実には大きなインパクトがあるのです。
原爆が、甚大な被害をもたらしたという事実。
だから、広島にマツダの本社があると知ると、みんなびっくりするのです。
原爆という世にも恐ろしい兵器の被害を受けた場所が、大きな工場を建てられるほどよみがえるものなのか、と。
広島が復興を遂げたことを知ると、日本にさらなる敬意を示してくれることもよくありました。
モルドバの人々も、国として独立してから、自分たちの道を歩み始めたばかり。
一から作り上げることの難しさを身をもって知っているからこそ、かもしれません。
広島に原爆が投下されたことや、「今」のことを伝えることができるのは、22年間暮らした私だから。
一通り原爆については話せるものの、やはりリアルタイムで経験してないので、話せることは少ないかもしれない。
英語となると、ますます難易度が上がる。単語をつなぎ合わせてなんとか、って感じです。
モルドバの人々が聞きたいことを、ちゃんと答えられた自信はない。
だから、英語はもちろんヨーロッパのいろいろな言語に親しみたい、と実感できました。
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