お世話になります。ヨーロッパ女子ひとり旅専門家のカジヤマシオリ(@Kindermer)です!
ヨーロッパ女子ひとり旅専門家という肩書があるので、
私がなぜヨーロッパをひとり旅するようになったのか?というコラムを書いてみようと思います。
私の初・ヨーロッパひとり旅先は「ロンドン」でした。
社会人一年目、ほんとうに限られた休みをこじ開けて。有休なんてありません。
そんな私をロンドンに誘ったのは「フェルメール」でした。
そこにはどんなきっかけがあったのか…?
フェルメールは私に何を気づかせてくれたのか?
もしかしたら、ひとり旅をためらっている人が知りたがっていることかもしれません。
目次
初めてフェルメール作品を見た日
私は「ヨハネス・フェルメール」という画家が大好きです。
17世紀、海洋貿易の発展により「黄金時代」とも呼ばれていたオランダで活躍した画家です。この作品とか有名かな。
キリストや聖書の内容を描くよりも、誰かひとりを画面の中心において、日常生活を演出することが多かった画家です。
大学を卒業する際も、彼をテーマに論文を仕上げてから社会人となりました。
出会いまでさかのぼると大変なことになるので、ここでは実際に「フェルメール作品を見た日」ということで。
大学1年生の夏休み、実家のある広島から、愛知県豊田市にある「豊田市美術館」へ。
このとき、フェルメールの「地理学者」がそこに来日していたからです。
それまで資料集やネットで見るだけだったフェルメールをようやく、実際に目にするチャンスが!
よく考えればこれも「初めてのひとり旅」。
大学に入るまでまともに一人で出歩くこともありませんでしたから(笑)心配性、過保護の親ゆえです。
よって両親は大反対しましたが、しぶしぶ「日帰りなら」と許可が下りました。
名古屋から広島を日帰りなんてもったいない…(;´・ω・)
初めて見た「地理学者」。地球儀に手をあて、何か推測しているかのような表情。
本で見ていたのとは全然違います。やはり印刷と本物は全く違う!実際のほうが断然やわらかい。
あれから6年になりますが、今でも鮮明に覚えています。
あと、夏休み真っただ中だというのに、全く混んでなくてずっと見ていられたのも印象的。
初めての遠出。どきどきでしたがトラブルに巻き込まれるようなことも、道に迷うようなこともなく終了しました。
そりゃそうだ。同じ日本だし、新幹線と地下鉄だけで行けるし。今思えばなんともない。
この出会いから、私は「フェルメールの作品がぜんぶ見れたらいいなー」と漠然と考えるようになりました。
すべてで30数点だからいつか見終わるだろう、と。こうやってちょくちょく作品が来日していれば実現するだろう、と。
2度めは「フェルメールからのラブレター展」
同じ年の(ほぼ)同じ時期、東京を経由して京都にもフェルメール作品が来日していました。
もちろん見に行きました。この時も日帰りです。
この時見たのは「手紙を読む青衣の女」「手紙を書く女」「手紙を書く女と召使」でした。
同じ「手紙」をモチーフにしたフェルメール作品、女性のふとした瞬間のしぐさがとても美しかった記憶があります。
特に「手紙を読む青衣の女」は長い修復を終えたばかり。注目されていた記憶がありますね。
1年で2度、フェルメール作品に会いにひとり旅をしました。
3度目、4度目のフェルメールは東京
翌年、大学2年の夏にもフェルメールは3作品来日を果たしています。しかもすべて東京。
ここではじめて、日帰りではないひとり旅へ!
さすがにそのときは、親も反対しませんでした。いちいち日帰りしてたらアホらしいよ。
この時は「真珠の首飾りの女」「真珠の耳飾りの少女」「ダイアナとニンフたち(所説あり)」と対面を果たします。
いやーすごかった。人も多い。
とくに「真珠の耳飾りの少女」がある東京都美術館、朝から1時間待ちとまるでテーマパークのよう。
もちろん、ずっとあこがれていた作品との対面は忘れられないもの。
だけど混雑ぶりのほうが印象に残っていますね(笑)
…と、ここまで2年で7点を鑑賞しています。
2年で、彼の作品のうちおよそ5分の1を鑑賞しました。
期間と数だけ見たらもう、全部見るのはもうすぐだと思いますよね…?
人生そんなに甘くない
つづいて、大学3年…のときはフェルメール作品が日本に来日しませんでした。
この年の夏はイタリアに3週間行ってたので、たぶんそれどころじゃなかったのかな?
その次、大学4年もフェルメール作品は来日していません。
来日する予定だったものの、予算の関係で計画が頓挫したと聞いています←
そんな感じで2年間、フェルメール作品を見ていません。
その中でフェルメールをテーマに卒業論文をすすめていくのですが、とある資料を目にします。
美術館を出ることができないフェルメール作品たち
2008年。
ウィーン・美術史美術館にある「絵画芸術」が東京都美術館へ来日予定だったものの、作品への悪影響が懸念されて出品が中止された、という説明。
長時間移動や湿度・温度の変化が作品に悪影響だ、と判断されたのです。
このような判断が一度されると、来日どころか美術館の外を出るのも難しい状態ということがわかります。
それ以降、他の美術館に貸し出しがされていないのも事実です。
来日した経験のないフェルメール作品は意外とあります。
とくに個人コレクションのもの、規模の小さい美術館のものは来日してないことが多いです。
データがないので具体的なことは言えません(近々データにしてみよう)。
フェルメールではありませんが、もともとハプスブルク家のコレクションだったウフィツィ美術館の展示品たち。
その中には、国の法律で他の美術館への貸し出しが禁止されているものもあります。
例えばカラヴァッジョの「メドゥーサ」。
ウフィツィ美術館所蔵のものはイタリアの法律により、そこでしか見られません。
だから私はヨーロッパひとり旅へ踏み出した
作品が外に出られないことが、何を意味するのかって?
それは、日本で待っているだけじゃ、フェルメール作品をすべて見るのは不可能だろうということ。
運が良ければ実現できるかもしれませんが、現状無理ですよね。すでに「絵画芸術」は、ウィーンまで出向かないとお目にかかれない状況にあります。そういうことです。
たしかに、ヨーロッパへ旅に出ることは不安でした。
見知らぬ、日本ではない土地にひとりきりという状況に慣れてないのだから、当たり前です。
ですが、フェルメール作品に会いに行きたい!という思いのほうが勝りました。
「もっと外に出て、フェルメール作品をぜんぶ見に行く!」とすんなり決意できました。
私にとっては心の支えだったのです。フェルメール作品のない人生なんて考えたくないです…
フェルメール作品を見たいけれど日本を出るつもりはない、そんなこと言ってたらいつまでたっても「全点踏破」は実現できません。
正直、その考えはとても甘いと思います。
情熱を傾けられる「何か」が外国にあるという人も同じです。
いつまでもひとり旅をためらっていたら、きっと一生実現できない!
確かに「休みが少ない」「お金がない」「親が反対する」など、実現できない事情があるかもしれません。
だけど私にとって、そういう理由で諦めがつくものは「どうでもいいこと」です。
所詮、その程度のもの。
休みが少ないけどその休みもフェルメールに会いに行ってしまう。
なけなしのお金もつぎ込んでしまう。そうやって無理にでも実現させます。
もう大人だから親は関係ない。
最低限居場所を伝えて、極端に治安の悪い場所や電波の届かない秘境へは行かないようにしているので、そこまで問題になりません。
だいいちそんな場所にフェルメール作品ないですし(笑)
私の夢は、日本を出ないと叶いません。
いつかアメリカにも行かないと実現しません。ヨーロッパを制覇したら、アメリカにも降り立つ予定です。
フェルメール作品が導いたのは、私が今までに見たことのないような、あまりにも大きすぎる世界だったのです。
ウィーン、イギリス、オランダ…フェルメールに会いに行く旅
私がフェルメールに会いに訪れた国は、ウィーン・イギリス・オランダでした。
あの門外不出「絵画芸術」があるウィーンを早々にクリアです。
顔が死んでいるものの、作品と一緒に記念撮影。
日本じゃできないですよね、こんなこと。
ウィーンは同行者がいましたが、イギリスとオランダはいずれもひとり旅。両方とも2回ずつ訪れています。
とくにオランダはフェルメールを生んだ国。
生まれた場所付近をうろうろしたり、彼の父が生まれた場所の跡に建てられたホテルに泊まったり。
ファンにはたまらない体験ができました。
フェルメールの「小路」はここで描かれたのでは?という場所にも訪れることができました。
オランダの画家・フェルメールの聖地巡礼は、日本ではまずできませんよね?
これも、ひとり旅を決意できたからこその経験です。
フェルメールのお墓や生家跡に行ってみたいくらいのファンなら、きっとうらやましいと思うはず。
それなら、オランダでひとり旅してみましょう。
日本にいては味わえないような感動が満載です。
はじめは「フェルメール作品を見る」というのが、旅のいちばんの目標。
それ以外は特に目的を決めないことも多かったです。ですが、回数を重ねるにつれ「やってみたいこと」が増えていきました。
いつの間にか、フェルメール抜きで「ヨーロッパをひとりでふらふらする」ということが好きになっていたのです。
自分だけの自由を満喫する「ひとり旅」
そして、2017年11月。はじめて、フェルメール作品を見ないひとり旅へ出かけました。
旅先はハンガリー。
ハンガリーとスロバキアでは、現在フェルメール作品を目にすることができません。
もうフェルメールが目的じゃなくなってる。
ハンガリーのお隣・ウィーンはあの「絵画芸術」があるものの、まあまあ移動に時間がかかること、物価なども考えて行きませんでした。
現状「一期一会」ですが、いつかまた再会できたらと願っています。
ヨーロッパでふらふらし続けた結果、30数点のうちこれまで18作品(真偽の議論がされているもの、日本で見た作品も含む)に出会うことができました。
フェルメールについて卒論を書いていなかったら、私がヨーロッパへ旅に出る決意ができなければ、こんな数字にはならなかった。
今「ヨーロッパ女子ひとり旅専門家」を名乗れるのも、フェルメール作品が外に連れ出してくれたおかげです。
私の世界は格段に広がっています。
フェルメール作品に出会わなければ「トラベルライター」として、複数メディアに寄稿するようなこともなかったかもしれません。
フェルメール作品のことは一度おいといて、行ってみたいヨーロッパの国が山ほどあるんです。
私にヨーロッパを旅することのすばらしさを教えてくれたフェルメールは、本当に尊い存在です…!
海外一人旅じゃなくても、あなたにとってこういう「何か」があるなら、ためらわず一歩を踏み出してほしい。
その一歩はぜったいに、自分を変えます。
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