お世話になります。ヨーロッパ女子ひとり旅専門家のカジヤマシオリ(@Kindermer)です。
ハンガリー・ブダペストの街を歩きながら聞いた「Budapest」という曲。
この曲を聴きながら、ブダペストの夜景を見ていると…
大切な人、好きな人、助けてもらったこと、心に残っている「美しいもの」…
今、一緒にいない人、昔のことが走馬灯のように私の仲をかけめぐりました。
もしかして、こういう感情が「エモい」っていうんじゃないだろうか。
こういう感情を連れてくる曲が、エモい曲っていうんじゃないだろうか。
最近「エモい」ってよく聞くけれど、定義はわりとあやふや。
その人が「エモい」と思えば、そうなんじゃないだろうかと。
ジョージ・エズラという歌手が奏でる「Budapest」のエモさについて、自分なりに飲み込んだ結果をお届けします。
言葉にしてしまうと、やはりうさんくさかった。
…エモさを感じるかどうかなんて人それぞれだよ。
目次
ブダペストの美しさには触れてない歌詞
私は「Budapest」という曲を聞くと、目を閉じて、ブダペストで見た夜景を思い出します。
ブダペストという地名は、Aメロの最初にしか出てきません。
そこからは「ブダペストの家や黄金のグランドピアノ、秘密の宝箱を手放しても構わないくらい大切な君」への思いがひたすらつづられます。
すべてを手に入れた大富豪にもある、大切な存在への思いなんでしょうか。
ブダペストがきれいだとか、おもしろいとかっていう歌詞は出てきません。
にもかかわらず、帰国後この曲を聞くたびに、ブダペストで触れたものを思い浮かべるようになってしまいました。
お世話になった人のこと、おいしかった料理、気に入ったものがすべてリフレインします。
ブダペストという場所の心地よさも併せて思い出してしまいます。日本で感じる居心地の悪さは、そこにはありません。
私の心が、ほっとする時間です。本当によい場所だったな、また、戻りたいな…と思うのです。
その時間がとても愛おしくて、かけがえなくて、私はしばし浸るのです。
圧倒的な包容力
はじめてこの曲を聞いたとき、20代中盤の男子のものとはとうてい思えなかった。
感じたのは、まるで年の功のような渋みと深みだった。疲れ切っていた私は、彼の声に身をゆだねたくなった。
これだけ聞くと、ジジくさい、ダサいというイメージがあるけれど…
決して年寄りくさいとも、ダサいとも思わなかった。
かっこつけた、気取った感じがなかったから、自分の中にすっと落ちて来た。
当時流行っていた若いボーイズ・バンドのキャッチーさはない。
明らかに、時代の流れから外れた別のジャンルがそこにはあった。でも、この曲はヒットした。
これが、彼の曲に感じた「エモさ」のひとつかもしれない。
安定感があると言えば正しいのかな。何にもゆらぐことのない、どっしりとした安定感。
それは包容力といってもいいと思う。
だって、彼の声は、肩を落とす私にそっと寄り添ったから。
この声で「Budapest」を歌われたら、もう、私の大好きなブダペストに思いをはせずにはいられない。
単純なコード進行とメロディにのせて
こればかりは音楽の専門家じゃないので詳しいとこまでつっこめないけど…(笑)
間奏部分で素晴らしいギターテクニックが披露されるわけでもなく。
間奏部分のギターリフはわりと単純なメロディ。
曲の部分が難しくない。
真新しいものじゃないから、すんなりあたたかみややさしさを感じられたのかもしれません。
アコースティックでも、オーケストラでも。無限の広がりを感じる曲
ジョージ・エズラは、いろんなスタイルで、この曲を披露しています。
とくにアンプラグドバージョン(アコースティックギター1本での弾き語り)がとても好きです。
決してリズムが走りすぎることなく、彼の声だけが、心にしみる。とってもやさしい。
眠れない夜に聞くことが多いです。
イギリスじゃ誰もが知る曲だから、YouTubeのラジオ局アカウントがいっぱい彼の弾き語り映像をアップした。
キラキラした曲ではないけれど、その素朴さがかえってすっと聞けて、ラジオで聞くのは特に好評だったのかなーとか。
もちろん、原曲も好き。今もPVをよく見ます。
たくさんの人の中に埋もれるエズラくん。みんな違う人で、世界の多様性を表しているかのよう。
今も起こり続ける物事、争い…世界は喜びと苦しみに満ち溢れているんだなあ、と感じさせられます。
そして、大きなライブでのバンド形式も好き。
間奏部分でエレキギターのリフが響く。
ベースの音が入るとより深みが増す。大勢の人がサビの部分で、彼に合わせて「You~」と高らかに合唱する。
最高にしびれる。
みんな、彼の声と曲に共鳴している。
BBCミュージックアワードでパフォーマンスした際はオーケストラスタイルでした。
他にも超有名なアーティストが揃うアワードだからこそできること。
弦楽器による間奏部分のパフォーマンスは、クラシックのような優美さも感じる。
どの形式で耳にしても、曲本来のやさしさは失われず、むしろ無限の広がりすら感じさせてくれる。
ジョージ・エズラが歌うから、4分の間でこんなにも世界を見せてくれるんだろうな、といつも思う。
ヨーロッパをひとりで彷徨う、私のそばにいてほしい曲
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…ほんとに言い曲なんですよ!!
たぶん曲のよさって、文字で説明したら本質が薄れてしまう。
それでも、私は「Budapest」が好きで…
今まで、ヨーロッパをふらふらする中で、この曲を聞くことが多かった。
心細いとき、不安な時に聞くと、あったかさが心に広がった。
特に、本当にブダペストを訪れた時は、毎日のように聞いた。
この曲が好きというのも、ブダペストを旅先に選んだ理由のひとつだった。
もっと旅がしたい。扉を開けたい。世界を見たい。
これからも、この曲といっしょに旅をしたい。
2018年も旅をします。ヨーロッパへ行きます。
この曲と旅したことを、忘れずに。
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