お世話になっております。ヨーロッパ女子ひとり旅専門家のカジヤマシオリ(@Kindermer)です。
ソウル・仁川国際空港に降り立ってから、電車で中心部に向かうまでに、まず目にしたもの。
車窓からの風景や行き交う人々ではなく、車内で流れていた映像が強く、脳裏に刻み込まれました。
それは、とおい昔の資料や映像をもとに「独島は韓国のものである」と主張しているものでした。
独島とは、日本海に浮かぶ島のこと。独島は韓国での呼び名で、日本では「竹島」と呼ばれています。
長年、このひとつの島をめぐり、日本と韓国の間で認識が異なることをご存じでしょうか。
ソウル中心部に向かう、電車で見かけた映像について。
私が車内で見た映像は、字幕はすべて韓国語や英語でした。
だから、正確にはその意味を理解できていないと思います。
ですが、雰囲気や映像だけでなんとなく読み取れるものはありました。
日本人に直接考えを改めろというよりは、その他の国の人々に訴えているような感じがしました。日本人をメインターゲットにしているなら、日本語も併記しておけばいいし。
観光でお金を使いに来ている日本人の目に入るのは、都合が悪いということでしょうか。
観光で訪れているなら、アンチ的な感情を持っている人は少ないでしょうし。
確かに、その映像が原因で反韓感情を持たれたら、観光による経済効果が期待できなくなるかも…と危惧してもおかしくないですね。
さらに、映像で協調されていたキャプションは
「Japanese Know The Truth」
「History Know The Truth」
=「日本や歴史は、真実を知っている」
これを韓国側の主張とつなげると、ここでは、真実=独島が韓国の領土だと訴えていることがわかります。
その真実を、歴史や日本は知っているはずなのに、なぜか「竹島は日本の領土だ」と主張していると。日本は歴史の真実に背き、嘘の主張を繰り返していると。
20世紀の半ばから、韓国が実行支配を続けていることに、日本側は「不法占拠」と抗議しています。
しかし、韓国側は「韓国の固有領土だから、日本に抗議される立ち合いはない」というスタンスをとっているようです。
映像でも、そのことを繰り返し訴えていました。
帰国後、気になってTwitterで「韓国 独島」と検索してみると…
「独島は韓国の領土」
「独島は韓国領である」
というユーザー名が並びました。
こんなこと、想像したこともなかった。
併せて、私と同じように、日本人が韓国の電車でこのような映像を目にしたことがあるか?も気になって検索。
やはり、同じような「怖さ」と「驚き」を隠せないツイートがずらりと並びます。そりゃそうだ。
それまで、電車マナーの啓発や緊急時の対応を紹介する、キャッチーでわかりやすい映像ばかり流れていたのに、いきなり重々しい独島のことが流れてくる。
ぜんぜん楽し気な映像じゃなかったし。
初めての韓国で、不安とどきどきで胸を躍らせているとき、まず見せられたのが重々しい深刻な内容の映像。
しかも、日本を批判するような雰囲気。
距離が近いこともあり、軽いノリで訪れたことをさっそく後悔しました。
韓国人ってみんな、独島のことで日本人に敵意むき出しなの…!?
とおっかなびっくりでソウル中心部へたどり着きました。
しかし、日本人であることを理由に、現地の人から意地悪をされるようなことはありませんでした。
親切にしてくれる人のほうが多かったように思います。
私は、歴史を何も知らない
日本は「竹島は我々のもの」
韓国も「独島は我々のもの」
と主張しているのは、前から知っていました。
毎年2月22日を、日本が「竹島の日」としていることも。韓国が抗議しているのも。
だけど、なんとなくしか知らない。ぼんやりと「ああ、そんな感じだったな」と。
毎年、日本のテレビでも報道しているしね。
ちなみに韓国側は、10月25日を「独島の日」に制定しています。
韓国を訪れるのがちょうどそのタイミングだというのを知ったのも、出国の2~3日前になってから。
正直、そのくらいしか、知ってることがない。
そのくらいしか知らない状態で、韓国を訪れた。
知ろうともしていなかった。
知らないから「どちらが正しいか」なんて言及しようがない。
日本人だからという理由で、私も「竹島は日本のものだ」と主張するのは、違う気がするから。
かといって「独島は韓国のものだ」とも言い切れない。
だって、分からないんだもの。
一種の保身のようにも聞こえますが、知らないことには、何も言及できない。
学校の歴史の授業でも、習っているはずなのに。
おそらく、他の項目を優先させるため、担当していた先生が削ってしまったのでしょう。
先生が教えてくれていたとしても、他の項目に比べて文字数・写真が少なかったか。
それなら、今まで私が興味を持とうとしなかったことも、うなずける。
学生時代、あまり熱心に日本史・アジア史の勉強をしてこなかった。
世界遺産検定2級に合格し、勉強を続けていく過程で(ほぼ)初めて韓国・アジアの歴史や文化を知った。
高みを目指していくうえで、知らなきゃいけないことは山積みだ、と感じていた矢先のことでした。
そんな大昔の歴史を知らなくたって、旅はできる。
だって、今まで韓国を観光してきた旅人たちは、みんな韓国の歴史を知ってるとは限らないでしょ?
かわいいカフェめぐりやK-POPアーティストのゆかりの地めぐりをしに、韓国にやって来る人が歴史を知りたいって、つながらないでしょ?
だけど、歴史を知れば、旅はもっと充実するのは知ってる。
今までヨーロッパを旅してみて、強く実感しているから。
とくに韓国は距離も近いし、古来から交流があった国。
ヨーロッパ以上に、日本のかかわった歴史があるはず。
実際に韓国の風景を目にしたからこそ、もっと知りたいことが増えました。
その背景を少しでも知ることで、目の前が少しクリアになるような気がする。
今回、電車の中で目にした映像に関しても。
鮮烈な印象だけにとどめるのではなく、知りたい。また、韓国を訪れたいと思ったのも大きいです。
仁川国際空港から、電車でソウル駅や中心部に向かう場合は、ほぼ確実に目にする映像だと思います。
日本から韓国を訪れる理由はさまざまあれど、ただスルーしてしまうのは…
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