「シャガール展 三次元の世界~キャンヴァスから飛び出す恋人や動物たち~」見どころと口コミ

お世話になります。ヨーロッパ女子ひとり旅専門家のカジヤマシオリ(@Kindermer)です

現在、名古屋市美術館で開催中の展覧会「シャガール展 三次元の世界~キャンヴァスから飛び出す恋人や動物たち~」にお出かけしてきました(とても雪)。

20世紀を代表する現代芸術家、マルク・シャガール。ロシアのユダヤ人一家に生まれ、ナチス・ドイツから「退廃芸術家」との烙印を押され、アメリカに亡命後、フランスに帰化。

↑写真は、フランス・パリのオペラ座の天井画。1964年に完成させたもの。

 

シャガールといえば、このポスターにもあるような「ひゅ~って飛んでいきそうな」抱き合う男女や、まるで夢の中にいるようなモチーフの連続。

理想郷のような色彩をイメージする人も多いのではないでしょうか。

ですが!シャガールの魅力ってそれだけじゃない。

シャガールは97歳という長い長い人生の中で、ファンタジーな世界観に包まれた絵画はもちろんのこと、陶器や彫刻、銅版画などの制作にも取り組んでいます。

そのような「三次元」での表現を始めたのは戦後、亡命先のアメリカからフランスにもどってからのことです。今回の展覧会では、そのような作品にもスポットを当てています。

彼の絵画以外のアートワークを知らない、という人も多いのではないでしょうか。私もそうでした。

絵画を飛び出したシャガールの表現力に、ついつい見とれてしまう展覧会です。
見どころを簡単に紹介したうえで、感じたことを紹介してみようと思います。
(作品の撮影は禁止です!)

画家・シャガールが立体に情熱を注ぐこと

シャガール展 三次元の世界~キャンヴァスから飛び出す恋人や動物たち~」で見ることができるのは、世間一般でよく知られたシャガール作品と、ぜんぜん見たことのない雰囲気の作品。

「男性と女性が抱き合い、ふわふわと宙を舞う」
「空間に突如描かれる牛、にわとりなど動物のモチーフ」
「花束」
「ドラマチックな色彩」

ごく一部ですが、メディアで取り上げられているイメージはこんな感じでしょうか。愛や喜びを爆発させることもあれば、嘆きや悲しみであふれかえることもあります。

これらのモチーフをいくつも、カンバスの上に描いたシャガール。戦後、亡命先のアメリカからフランスに戻った彼は、立体でもその世界観を表現しようとしました。

カンバスの上でもどこまでも自由だったシャガールは、立体になるとより自由だなあと感じました。「それを立体で表現するか!」という作品ばかりです…

大理石やブロンズだけでなく、さまざまな素材で立体表現を試していたのも意外でした。

 



 

見方を変えること。考え方を変えること。

立体もですが、シャガールはコラージュ作品や銅版画にもチャレンジしました。

銅版画の試し刷りに人の顔を描いたり、彩色したり。

あえて上下反転させて、それぞれ違うものを書き加えて、まったく別の作品に仕上げたものも展示されていました。

長いキャリアの中で、新しい試みにも積極的にチャレンジしていたことがうかがえた展示でした。

ロシア人・ユダヤ人・フランス人のシャガール

シャガールは、ロシア(現ベラルーシ)生まれの画家です。

ロシアで絵の勉強をスタートさせ、パリでキュピズムに触れるも、ナチス・ドイツに迫害され、アメリカに亡命します。第二次世界大戦後にパリへと戻り、フランス国籍を取得しました。

彼はユダヤ人の血を引いています。複数の国で暮らし、ドイツからは迫害を受けました。このことから、彼の作品にはユダヤ教や、自分の暮らした国の風景が入り混じるような作品が多くあります。

そのひとつひとつを描くこともあったけれど、複数の要素が入り混じる、わりと混沌とした様子のものが多いのです。

戦争に翻弄され、複数の国を転々としたシャガールだからこそできる表現だと見受けられる作品もいくつか。彼の人生の流れとともに、モチーフひとつひとつを紐解いていくのがとても面白かったです。

シャガールがユダヤ人だったことに対して興味を持った方は、キリストの磔刑(彫刻または下絵)をよくご覧いただきたい。

シャガール自身がユダヤ人であること。それだけで、キリストに対する見方も違うのだということを実感。ほかの画家によるものとは、キリストに対する見方がまったく異なります。

最愛のミューズ・ベラとヴァヴァ

シャガールのミューズとして、知られているのはベラでしょう。

ベラとは1915年に結婚し、その後ともにロシアやパリ、アメリカと移り住みます。

シャガール作品によく描かれた、抱き合う男女が宙を舞うモチーフ。

このほとんどがベラとシャガールを描いたものだと言われているそうです。私が一気にカンバスの中の世界観に引き込まれるのは、このモチーフが引き金になっていると感じています。

そして、ベラを語るうえで欠かせないモチーフが「花束」。

シャガールの誕生日に、ベラが花束を持ってやってきます。この花束、作品によく出てくるんですよね。

無造作にポイっておかれてたり、花束の中に顔(おそらくベラとシャガールふたり)が描かれたり。花束は、彼にとってミューズのベラを連想させるものだったんだな、とわかります。

パリの情勢がよくなったという知らせを受けて間もなく、ベラは1944年、亡命先のアメリカにて伝染病で急死します。その後何か月も制作が手につかなかったそう。

たしかに、それまでのシャガールを突き動かしていた存在だったから…きっと抜け殻のようだったんだろう。だけど、その後出会ったヴァヴァという女性が、またシャガールをカンバスに向かわせることになったという話はとても興味深かった。

ヴァヴァは5か国語を話す才女で、その後30年近くパートナーとして公私ともに支えていたのもうなずける。

やはりベラを描いた作品が多いけれど、ヴァヴァをモチーフに描いた作品も展示してあって。

ふたりの女性を描いた作品を一度に観ることができるのも、この展覧会の魅力だと思います。

 



 

音声ガイドのナレーターは安井邦彦

音声ガイドを聞きながら鑑賞したのですが、もう、耳に心地よくて…!

ふわふわって。シャガールの混沌とした感情に溶け込むような、心地よい声。終始とろけそうになりながらふらふらしてました…

専門的な説明は少ないんだけど、なんかこう、自分の視野を広げてくれるようなガイドだったような気がします。それをあの声で、っていうのが特別な体験でした。

ほぼ全部の作品に、モチーフの意味や描かれた背景の説明(キャプション)がついているから、勉強しながら鑑賞できる。

だけど全部まともに読んでると目も脳も疲れるので、音声ガイドがあったほうが、鑑賞に集中できますね。お目目がしょぼしょぼ(´・ω・`)

やっぱりシャガールの作品は刺激的だ。

ファンタジーにのめりこむシャガール展

終始、シャガールの世界観にのめりこんでいた1時間半。展示の数が多いことや、音声ガイドに合わせてひとつひとつじっくり見ていたということもありますが…

まさに、のめりこむという表現がふさわしい展覧会だったように思えます。どの作品からも意味を、愛する喜びや迫害への不安を、受け取りました。

正直言うと、シャガールの作品は、言葉で説明するのに適していないと思うんですよね( ;∀;)
まあ適した作品もそうそうないと思いますが(笑)

ということで、音声ガイドを耳にしながら、自分のペースでじっくり、メッセージを受け取ってみてください。

シャガールの絵画作品と一緒に、彫刻や銅版画も見ると、イメージすごく変わりますね…

2018年2月18日まで、名古屋市美術館で開催中です。私はもう一回行くよ…!できればシャガールの本を何かしら、事前に読み込んでおきたいところです…!

追記(2018年2月14日)

二度目の鑑賞に行ってまいりました。

会期終了間近だからか、午後3時ごろはたくさんの人。すし詰め状態、待ち時間や列ができるということはないものの、一度目の鑑賞よりも混んでました。

土日はすごく混むだろうな~。

なかなか混んでおりますうえ、展示数がかなり多いので、余裕をもってマイペースに鑑賞されることをおすすめします!

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