お世話になります。ヨーロッパ女子ひとり旅専門家のカジヤマシオリ(@Kindermer)です。
何年も前にセルビア人女性からオンライン英会話レッスンを受けていたというご縁から、セルビアという国がどこにあるのか、西や東ヨーロッパとはまた別の歴史を歩んできたことを知る。
しかし、どのような歴史を歩んできたのかよく知らない…学校の授業でも習った記憶がない。
それでもセルビアに10日間も滞在していたので、少しは知りたいよね。
と訪れたのが、首都ベオグラードにあるユーゴスラビア歴史博物館でした。
ユーゴスラビア時代の約100年にあった出来事や歴史、ユーゴスラビアの大統領で首相だったヨシップ・ブロズ・チトーの墓などがある場所です。
中心部からすこーし離れた場所にあるのですが、足をのばして訪れておいてよかったです!
博物館への行き方や展示内容とともに、
博物館に付随する花の館や5月25日博物館、ミュージアムショップ・カフェも紹介します。
目次
ユーゴスラビア歴史博物館への行き方と、チケット売り場
まず、私が訪れた2025年時点でベオグラード市内の路線バスや路面電車は無料です!私のような観光客も対象です。
(Eのつく急行バスや空港を発着するバスなど一部バスを除く)
もちろん、中心部から博物館に向かうバスも無料でした。お金やカードを車内で出す必要はありません。開いているバスのドアのどこからでも乗降りできます。
私はJaše Prodanovićaというバス停から向かいました。渋滞していて30分くらいかかったと思います。
本数が少ない場合は一度乗り換えてアクセスするのがおすすめ。乗り換えた場合も無料です!

バスを降りて大きな建物のあるほうへ歩くと、噴水が出迎えてくれました!
こちらが博物館です。しかしチケットが購入できるエントランスは、この建物よりももっと奥にあります。

エントランスに向かう途中にチトーの像があります。

「JUGOSLAVIA」という文字のあるこの建物がチケット売り場のあるエントランスです。エントランスにはショップやカフェも併設されています。
エントランスまではゆるやかな上り坂。途中でアート作品がちょくちょくおいてあります。

エントランスでチケットを購入。600RSDで、博物館に加え花の館や5月25日博物館も見学できます。1000円以内ですがたくさん展示を見られそうですね…!
展示のある建物はおおまかに3カ所に分かれており、それぞれの入り口でチケットが必要です。絶対になくさないで!
全体のエリアが広いため、地図を持っておくといいと思います。
5月25日博物館

まずは一番高い位置にある「5月25日博物館」から訪れるのがおすすめです。
緑に囲まれた小さな建物です。5月25日というのは、チトーの誕生日といわれています。

ゲートでチケットのバーコードを読み取らせると、まずこの展示から。
1918年から2006年まで、ユーゴスラビアの勢力図?分布図?という感じでしょうか。
日本で暮らしていると分かりづらい部分ですが…約100年間のうちにちょくちょく変わりながらも、その体制を維持していたのはすごいですよね。

展示の冒頭は、チトーが受け取った贈り物や遺品などが集まっていました。
ユーゴスラビアは閉鎖的な地域だったのかなとイメージしていましたが、世界各国の工芸品があるので、海外の要人とも積極的に会っていたことがわかります。
こちらは中国のパズルボールとのことですが、おそらく同じ種類のものを台湾の国立故宮博物院で見たことがあります。
細部までとても丁寧に彫られたパーツのひとつひとつを組み合わせ、ボールの内部にもさらにいくつものボールが入っていて、どうやって組み立てたり彫ったりしたんだろうと感心する工芸品です。
当時の大統領から、1955年にチトーに渡されたそうです。

カラフルな工芸品の中に、ひとつ日本から贈られた連獅子?の人形がありました。
やはり閉鎖的な地域ではなく、世界の国の一員として役割を果たしてきたのですね。

建物を奥に進んでいくと、ユーゴスラビア時代の歴史や文化を残した展示に。

このポスター、共産主義指導者として若き日のチトーを、武装抵抗組織「チェトニック」の指導者だったドラジャ・ミハイロヴィッチを連行したものには金10万ライヒスマルクが授与されるというものです。かつてチトーが追われる身であったことがわかりますね。

ユーゴスラビア時代に流行っていた音楽でしょうか。バンドのポスターもあります。
天井が低く、細長い建物でしたが時代を順に追いながら展示を楽しめて、わかりやすかったです。
花の館

次は少し坂を下りて「花の館」に向かいます。
こちらにも噴水やベンチがあり、入館前にちょっとのんびり。
先ほどのチケットを入口で読み取り、中に入ります。

屋根はガラス張りで植物園?温室?のようですね。
花が植えられて、まさに花の館という雰囲気です。

この大理石の花道を真っすぐ歩いていくと、1980年に亡くなったチトーの墓があります。
とても大きな墓石ですね…

白い花束がたむけられていました。毎年5月25日にはたくさんの人が訪れるそうです。亡くなってしばらく経つ今も支持されているのですね。

すぐ横には2013年に亡くなった、最後の妻、ヨヴァンカ・ブロズの墓もありました。
日当たりがとてもよく、居心地がよさそうな環境ですよね。
メインはこのお墓なのですが、両サイドが展示室になっています。
おもにチトーの功績や彼の死後についてなど。

チトーの執務室を再現。左側には胸像もあります。
ユーゴスラビア歴史博物館

最初に出迎えられた大きな建物も博物館です。
ユーゴスラビア時代に関係する特別展がやっていて、この日はアレクサンダル1世についての展示でした。
ユーゴスラビア王国の初代国王だったものの、1934年のフランス訪問中に45歳で暗殺された人物です。
ユーゴスラヴ統一を掲げて運動し、第二次世界大戦後のユーゴスラビアの形成にも貢献しましたが、彼についての記録はあまり残っていないとのこと。
今一度遺品とともに、彼の功績を見直そうという展示コンセプトがあるようです。
展示は少なめですが、2フロアにわたって展示が行われ、ゆったりと見ることができました。
ユーゴスラビアの歴史を知ることのできる場所でした。

「PROTECT YUGOSLAVIA!」というキャッチコピーに力強さを感じます。元セルビア公の父がいたアレクサンダル1世は、ときにクロアチア人からの反発を招くようなこともあったようですが…

暗殺された際のニュース映像が残っており、大きなスクリーンに映されています。

左がアレクサンダル1世、右がフランス外相ルイ・バルトゥーのデスマスクです。アレクサンダル1世が暗殺された際、警察の流れ弾を受けバルトゥーもともに亡くなっていました。
台座には、暗殺された場所である「マルセイユからの追悼」という文字も入っています。

少ないですが肖像画も残っています。ちょうど写真が残されるようになった時代ですからね。
こういうのを見ると貴族の血を継いでいたんだなあと…
ほかにも、各地に設置された像の一部や、肖像の入ったコインなどが展示されていました。
2025年5月でこの展示は終了しているため、今やっている展示は公式サイトなどでご確認を。
セルビアに来たなら、ユーゴスラビア歴史博物館で歴史を知ろう
ユーゴスラビアの構成国として独特な歴史を歩んできたセルビア。
そんなセルビアを旅するなら、立ち寄る価値があると思います。
実際、泊まっていたアパートの大家のおじさんは「あの頃はとても幸せな時代だった。美しいシステムが整っていた(意訳)」と話しており、今もこのように考える人は少なくないようです。
ユーゴスラビアとはどんな時代だったのか?何があったのか?なぜチトーはあんなに支持されているのか?
ベオグラードの街中にいて、それを知るのは難しいと思います。まだユーゴスラビア時代のものも残っていますが、近代化が進んでいる印象だったので…
時間がなければお墓だけでも見に行ってみてはいかがでしょうか。
そして、時間があれば1日とって、じっくり展示も見て、歴史や文化を知ってみてください。
小話:トロリーバスが立ち往生

立ち往生
行きと同じ40番のバスで帰ろうと思ったところ…
なかなかバスが来なかったうえ、博物館の前の道路は大渋滞。その理由は、赤いトロリーバスでした。私が乗った1本前のバスと思われます。
故障なのか、立ち往生して道をふさいでしまい、運転手さんが悪戦苦闘。
私たちもここで立ち往生して、途中下車を強いられるかと思ったら…
運転手さんが無理やりすぐ横のスペースにバスをねじ込み、無理やり通過。
バスが浮くほど無理やりで怖い思いをしましたが、幸いケガ人は出ず、バスも故障することなく帰宅できました。よかった…!
結局30分くらいで帰宅できるところが1時間かかりましたが…
無料なのはうれしいですが、たびたび遅れたり、このように立ち往生したり、途中下車を強いられたりすることがあるようです。中心部を少し離れることになるのでお気をつけて…!
博物館自体のボリュームもありますし、1日をこの博物館だけで過ごすスケジュールでも良いと思います。
博物館に行く前にベオグラード中心部のカフェ「Kafetelija」でおしゃれエッグベネディクトを食べてから行くのがおすすめ。たぶん博物館のカフェは朝早くからはやっていないし、席数もメニューもかなり限られているので…!


