お世話になります。ヨーロッパ女子ひとり旅専門家のカジヤマシオリ(@Kindermer)です。
首都ザグレブ滞在中に楽しみにしていたのが、美術館めぐり。
のんびり気ままにヨーロッパ絵画でも眺めて過ごそうと考えていました。
しかし2020年にあった地震の影響なのか、2025年5月時点で、聖母被昇天大聖堂や聖マルコ教会といったシンボル的な建物は修復中で中に入ることができず。同じく複数の美術館や博物館も休館しているといった状況で。イタリアやオランダの絵画、見たかったのに…
5泊6日も滞在するのに「どこに行こうか…」となってしまいました。
そんな中でも、ザグレブで入館できた美術館・博物館を紹介します。
日本にはないようなユニークな展示をする場所ばかりです!
失恋博物館

まずは、ユニークな博物館として有名な「失恋博物館(Museum of Broken Relationships)」。
誰かの昔の恋人関係・信頼関係にまつわる思い出の品が展示されている博物館です。
日本語では失恋博物館となっていますが、実際は恋愛関係だけでなく、親・兄弟・友達との関係にまつわるものも多く展示されていました。
昔の恋人との思い出は、相当日常生活で愛用しているものでもない限り、捨てるか売るかしかないですよね…売ってお金になるようなものをくれた元カレはいないので、ほとんど処分しています。
寄贈した人は、行き場のなくなった品物とともに行き場のない、やるせない気持ちもこめているんだろうな。

さて、展示の一部を紹介します。
ビビッドな色合いのぬいぐるみは、昔恋人からもらったものとのこと。しかしキャプションでは「趣味が悪い」と一蹴されていました(笑)
付き合っていたころは黙っていたけれど、実は…というのはあるあるですかね。

日本人から寄贈された展示や、日本人との関係性を示す展示もちょこちょこ。
このパスポートは日本人による寄贈ではなく、とあるほかの国の人が昔付き合っていた日本人の恋人との思い出とともに寄贈していました。
キャプションはすべてクロアチア語か英語になっているため、館内Wi-Fiをつないで翻訳しながら見て回るのがおすすめです。

思い出の品のジャンルも、エピソードも本当にさまざま。レコードやビデオはその場で鑑賞者も視聴できるようにしてありました。
中には食品も、冷蔵庫の中に入った状態で展示されています。一緒に写真も入っていますね…
日々世界中から集まる「思い出の品」に対し、展示内容もこまめに変わるようなので、また行く機会があればいいな…なんて。
こんなに他人の思い出や感情に触れる機会はなかなかないと思うので新鮮でした。
いつも行くような美術館や博物館とは異なる体験でしたね。

館内にはカフェも併設されています。入口しか見ていないけれど、展示を見た後の余韻に浸りたくなるような空間でした。

小さいながらミュージアムショップもあります。この大きな消しゴムで後味の悪い失恋の思い出も消し去りたいですね…
失恋博物館
入場料:7ユーロ
ナイーブアート美術館

朝から雨が降ったり曇り空だったりした日、せっかくだからと立ち寄ったのが「ナイーブアート美術館(Hrvatski muzej naivne umjetnosti)」。
大学時代に西洋美術史を専攻していたのに、ナイーブアートはほとんど触れたことのないジャンルです。
ナイーブアートとは、大学やアカデミーなどで芸術教育を受けたことのない画家が、独学で描いた作品のこと。
ということは現代アートに入るのでしょうか?

ここでは、クロアチアを代表するナイーブアート画家の作品が並べられています。中には精神疾患があったり、犯罪歴があったりする画家もいるようです…
5つの小さなホールに分けられ、1930年ごろの先駆者による作品から、終戦後の作品までさまざまな作風のものが置かれていました。
作品は「見たまま、感じたまま」という言葉が正しいのでしょうか。技法や画材にとらわれず、心の思うままに描いている様子がダイレクトに感じられました。
なんだか画家側の思いが伝わってくるような、あったかい作品ばかりです。

イヴァン・ラブズィンという画家の作品。もともとはクロアチアの大家族に産まれ、大工をしていたものの35歳くらいから本格的に絵を描き始めたという人。そして晩年には国会議員にもなったそうな…
カラフルな色使いに、農作業をする素朴な人が描かれ、なんだかじんわりあたたかい雰囲気。のびのびとした作風です。

イヴァン・ラツコヴィッチ・クロアタという画家の作品。もともとクロアチアで農業や郵便配達員をしながら作品を描いていたそうです。
ガラス板の上に、クロアチアの長い長い冬を表現したのでしょうか。もの悲しさがあるけれど、この風景に対してのあたたかい愛を感じられるような気がします。

ザグレブの街を描いた作品も多いです。
2025年現在、運休中のケーブルカーを描いた作品。この画家にとってはこの風景が思い出に残っているんだろうな。新市街と旧市街の風景も素敵。私もケーブルカー乗りたかった…
小さな美術館だったものの、どっぷりナイーブアートの世界に浸ることができました。空いていて、作風からか、のんびりと過ごせたような気がします。
ナイーブアート美術館
入場料:5.50ユーロ
ザグレブの街で、のんびりユニークなミュージアムめぐり
今回紹介したナイーブアート美術館と失恋博物館、両方とも入場料は10ユーロ以下なのも嬉しいポイントです。そして1~2時間くらいのんびり鑑賞するのにちょうど良いボリュームでした。
それぞれはす向かいに位置するので、1日でハシゴするのもアリかと思います。
ザグレブには、日本ではまず見かけないようなジャンルの博物館や美術館がちょこちょこあって興味深いですね。なんだか自分の知識欲を満たしてくれるような、心があったかくなるような。
アートやミュージアムめぐりが好きなら楽しいはず。ぜひ訪れてみてください。
そして、休館中のミュージアムも早く再開してくれますように…!

